連合:「投資ファンド規制調査団」英米派遣へ-日本の労組「物言う」姿勢

日本の労働組合の最上部組織である連合(日本 労働組合総連合会)は、投資ファンドをめぐる英国と米国のルールや規制を調べる調 査団を初めて現地に派遣する。ファンド先進国の法制度を把握して日本政府にファン ド規制の在り方を提言する。ファンドが日本企業の合併・買収(M&A)を進める上 で「物言う」姿勢に傾斜している労組との関係構築の重要性が増している。

組合員680万人の連合は11月14日から英国に調査団を派遣する。英M&A規則 (シティコード)を司る自主規制機関シティパネル、英金融サービス機構(FSA) や英財務省の幹部などと会談する。調査団を率いる木村裕士連合総合局長(政府金融 審議会委員)は訪英後に「連合の立場でのファンド規制のあるべき姿を金融審などで 訴えていく」と述べた。同様の調査団は年明けにも米国に送る。

連合はファンドによる買収提案への対応指針を9月に初めて策定、正確な提案情 報の把握、賛否の意思集約や表明などを挙げた。米系スティール・パートナーズによ るサッポロホールディングスやブルドックソースといった日本企業への一連の買収提 案が契機。企業のステークホルダー(利害関係者)として、活発なファンドのM&A についての考えを明確にする必要があると判断した。

M&Aに詳しいアーンストアンドヤング・トランザクション・アドバイザリーサ ービスの杉原敦マネジングディレクターは「敵対的買収を検討するファンドや企業は、 労組や従業員の動向に今まで以上に目配りする必要が生じてきている」と指摘した。

すでに個々の労組がファンドをはじめとする買収提案に反対する意思を明確にす るケースは出ている。ブルドックや天龍製鋸はスティールに、北越製紙は王子製紙の 買収提案にそれぞれ労組として反対した。この3つの案件はいずれも失敗した。

世界の労組、ファンドに「物言う」

世界的には、ファンドをめぐる労組の「物言う」姿勢は定着している。連合が加 盟する国際的な労組の組織、国際労働組合総連合(ITUC)は年金基金に6月、プ ライベート・エクイティファンド(PE)やヘッジファンド(HF)投資で注意を呼 び掛けた。全米最大の米労働総同盟産業別会議(AFL・CIO)は8月に、PEや HF投資会社の幹部に対する課税強化を米議会に働き掛けた。

ダイムラークライスラーのクライスラー部門売却では、全米自動車労組(UAW) が取引中止を求めたこともあった。

19日の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では政府系ファンド(SWF) も議題になる見通しだ。日本でも金融商品取引法(金商法)の9月末全面施行でファ ンドに規制がかかった。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題で ファンドの資金調達にも影響が出ている。原油高や日本の低金利を背景にしたカネ余 りで猛威を振るっていたファンドへの風当たりが強まっている。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE