日本株(終了)日経平均17000円割れ、銀行続落-午後インドショック

東京株式相場は大幅続落し、日経平均株 価は終値で1日以来の1万7000円割れとなった。米国の銀行決算が悪化を示 したことなどから、三井住友フィナンシャルグループなど銀行株が軒並み下落。 インド株への規制強化案でインド株が日本時間午後に急落すると、為替相場や 経済への警戒からコマツや住友金属鉱山、JFEホールディングス、スズキな ど新興国経済で恩恵を受けるとされる銘柄の下げも目立った。携帯新料金導入 が伝えられたNTTドコモは上場来安値。

興銀第一ライフ・アセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォリオ マネジャーは、「株式市場がいま一番気にしているのはボラティリティの上 昇」と指摘。インド株の規制によって世界的なマネーの流れが変化するとの懸 念が広がると、「資本市場の不安定さによって、円キャリー取引の巻き戻しの 可能性が高まる」と警戒感を示した。

日経平均株価の終値は前日比182円61銭(1.1%)安の1万6955円31銭、 TOPIXは24.96ポイント(1.5%)安の1600.29。東証1部の売買高は概算 で23億1379万株、売買代金は同3兆3226億円。値上がり銘柄数は280、値下 がり銘柄数は1376。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が5、値下がり業種が28。 ゴム製品、化学、空運が高い。半面、銀行、輸送用機器、鉄鋼、情報・通信、 証券・商品先物取引、保険、電気機器が安い。

午後の日経平均は一時342円安

東京市場は、米銀行株の業績悪化から金融株中心に軟調に推移していたが、 午後になって日経平均が一時342円安の1万6795円まで下げ足を速めるなど 波乱の展開だった。TOPIXも10月1日以来の1600ポイント割れまで下落。

引き金となったのはインド株の急落だ。インド証券取引委員会は16日、 オフショアのデリバティブ(金融派生商品)を通じたインド企業の株式と債券 の購入に関する規制の強化案を明らかにした。ムンバイSENSEX30種指数 は前日比9.2%まで売られた。

ドイチェ・アセット・マネジメントの藤原延介ファイナンシャル・ストラ テジストは「発表された規制が実施されれば、インド株の買い主体として有力 なヘッジファンドの排除につながるものであり、きょうのインド株急落は当然 だ」と述べた。

19日からの7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を控え、きょうの外 国為替相場では円が対ドルなどに対して上昇。円キャリー取引に対する警戒ム ードの素地があっただけに、インド株急落が市場の不安感を拡大させた。また、 「マネーの流れが変われば新興国の景気がもたつくとの連想」(興銀第一ライ フ・宮田氏)も、新興国経済に収益を依存する関連株に働いた。取引が一時停 止されていたインド株が下げ渋るとともに東京市場も前日比マイナス幅を縮小 させたものの、午前の下落分を取り戻すまでには至らなかった。

金融株の売りが継続

業種別で下落がきつかったのは引き続き銀行で、東証銀行株指数採用の85 銘柄の96%が下げ、TOPIX下落寄与度でトップ。16日の米国では、銀行 大手のウェルズ・ファーゴやキーコープの7-9月期純利益が予想を下回り、 個人向けの融資焦げ付きの拡大で3行とも今後も利益が圧迫されるとの見通し を示していた。

東京海上アセットマネジメント投信の平山賢一チーフストラテジストは、 「8月はサブプライムローン問題によって信用に対する楽観が大きく巻き返さ れた。クレジットデリバティブでは収縮が終わったと言われるが、トリプルB 格などの米国社債のスプレッドは高止まりし、まだ楽観的になれない」と話す。

平山氏によると、米ニューヨークダウの構成銘柄のこの半年間の株価動向 は、エクソンモービルやアルコアといった素材・エネルギー株は上昇する半面、 シティなど金融株は下落し、二極化が進んでいる。

また、丸三証券の牛尾貴投資情報部長は、「銀行株は年内利上げの可能性 が低く、貸し出しも伸び悩んでいる。国内に買う理由が見当たらないことが海 外金融株の影響を受けやすい一因」と解説していた。

銀行の収益環境低迷が続く中、サブプライム関連やノンバンク向け貸し出 しの影響懸念が解消されていないとして、UBS証券が主要銀行株の目標株価 を引き下げたことも下げにつながった。

急落場面では下げ渋り、業績期待が下支えも

一方、午後の急落時には下げ渋りをみせたことで下値に対する底堅さもう かがえた。カブドットコム証券の臼田琢美常務執行役は、「日経平均株価1万 7500円程度まで戻った後だけにこの程度の株価調整は止むを得ない」とした上 で、「テクニカル的には一目均衡表の雲の上限(1万6778円)近辺が下値め ど」としていた。きょうの安値は1万6795円。

また、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)から東京市場の下値はそ れほど大きくないとする見方もある。米国での7-9月期決算発表に続き、来 週後半からは国内でも7-9月決算の発表が徐々に本格化する。SATOアセ ットマネジメントの佐藤博社長は、米国は7-9月期業績が前年同期比で減益 が避けられないだろうと前置きした上で、「日本は10%以上の経常増益となり そう」という。佐藤氏によると、日経225ベースの2007年度1株利益はアナ リスト予想で1000円に近づく状況で、「通常の相場環境ではPER(株価収 益率)17倍は下支え要因になる水準」だそうだ。

信越ポリが値下がり首位

個別では、9月中間期の連結純利益予想を下方修正した信越ポリマーが急 落し、東証1部値下がり率首位。8月中間決算で人件費上昇による利益率悪化 が確認されたパルは同値下がり3位で、2年半ぶりの安値水準。9月中間期の 連結純損益が黒字から一転赤字となったもようのコクヨ、税負担の増加から6 -8月期連結純利益が前年同期比54%減となった住江織物もそれぞれ急落した。

ヤフーが一時5.9%高

半面、9月中間期の連結純利益が前年同期比2.1倍と伸びたタカラトミー が急伸し、米ヤフー好決算を受けてヤフーも一時5.9%高まで買われた。午後 に9月中間期の業績予想を増額修正した日本精線も大幅高。リーマンブラザー ズ証券が投資判断を「EQUALWEIGHT」から「OVERWEIGHT」へ引き上げたバンダ イナムコホールディングスも急騰した。

新興市場はそろって下げる

新興市場はそろって下げた。ジャスダック指数の終値は前日比0.07ポイ ント(0.1%)安の76.50と続落。東証マザーズ指数は8.77ポイント (1.1%)安の824.34と4日連続安となり、大証ヘラクレス指数は22.94ポイ ント(1.7%)安の1301.93と3日続落。

ジャスダック市場では、楽天、SBIイー・トレード証券、トッキ、野村 マイクロ・サイエンスが下落。フィデリティ投信が保有株比率を引き下げたこ とが明らかになった日本アジア投資も安い。半面、コスモ証券が投資判断を新 規に「中立プラス」とした竹内製作所のほか、オプト、アルゼなどが上昇した。 9月中間期の連結業績予想を増額した鉱研工業は急伸。

東証マザーズ市場では、サイバーエージェント、サイバー・コミュニケー ションズ、リアルコム、アルデプロが安い。オンコセラピー・サイエンス、イ ンフォテリアは急落した。一方、ディー・エヌ・エー、ACCESS、アクロ ディアが高い。

上場3日目のきょうようやく売買が成立したアールエイジの初値は公募価 格7万円の4.1倍に当たる28万6000円で、値幅制限いっぱいのストップ高ま で買われた。

大証ヘラクレス市場では、アセット・マネジャーズ、大阪証券取引所、マ ネーパートナーズ、9カ月累計四半期の連結当期利益が前年同期比51.4%減と なったモーニングスターが下げた。サムティ、やまねメディカルは急落。半面、 ゼンテック・テクノロジー・ジャパン、ぐるなび、日本通信が上げた。9カ月 累計四半期の単独経常利益が前年同期比45%増となったゴメス・コンサルティ ングは急騰。

--共同取材:浅井 真樹子  Editor:inkyo

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