日本株は銀行中心に続落へ、米金融決算低調と格下げ-輸出安い(2)

東京株式相場は続落する見込み。住宅市 場の悪化で米国の銀行決算が悪化を示したことから、信用収縮懸念から銀行株 など金融株への売り圧力が継続しそう。UBS証券による一部邦銀の格下げも 銀行株にマイナスに働くとみられる。外国為替市場では円高が進行しており、 トヨタ自動車やソニーなど輸出関連株も軟調となる可能性がある。

日興コーディアル証券エクイティ部の西広市部長は、「米国株下落の影響 を受けて、日経平均株価は1万6950円前後まで下がる」と予想。その後はイ ンテルの決算などの影響から、「ムードが少し明るい方向を向いて次第に下げ 渋りそうだ」と見ていた。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の16日清算値は1万 6960円で、大阪証券取引所の終値(1万7130円)に比べて170円安だった。

業績や景気懸念で米国株は続落

16日の米国では、銀行大手のウェルズ・ファーゴやキーコープ、リージョ ンズ・ファイナンシャルが発表した2007年7-9月期純利益がいずれもアナ リスト予想を下回った。個人向けの融資焦げ付きの拡大で、3行とも今後も利 益が圧迫されるとの見通しを示している。

また、全米ホームビルダー協会(NAHB)が16日発表した10月の米住 宅市場指数は18と、9月の20から低下して過去最低を記録した。ブルームバ ーグがまとめたエコノミスト予想中心値は19だった。同指数で50を下回る数 値は住宅建設業者の多くが現況を軟調と見ていることを示す。

住宅市場の低迷や原油価格上昇が企業収益や景気に与える影響が懸念され、 米国株相場は続落した。S&P500種株価指数の終値は前日比10.18ポイント (0.7%)安の1538.53、ダウ工業株30種平均は同71.86ドル(0.5%)安の

13912.94ドル、ナスダック総合指数は同16.14ポイント(0.6%)安の

2763.91。

こうした中で、UBS証券ではみずほフィナンシャルグループや三菱UF Jフィナンシャル・グループなどメガバンクを中心に銀行の目標株価を引き下 げた。住友信託銀行に関しては、投資判断を従来の「BUY」から「NEUTRAL」に 引き下げ。米住宅市場悪化を発端とした米金融株の下落と合わせ、東京市場で の銀行株の売り圧力となりそうだ。

このほか、日興シティグループ証券では業績予想の見直しとセクター全体 のリスク上昇を理由に、アコムの目標株価も引き下げている。消費者金融株に ついても軟調となる公算が大きい。

円高が進展

一方、16日のニューヨーク外国為替市場では円がユーロやドルに対して上 昇。世界的な株安で投資家が低金利の円で資金を調達し、高金利通貨で運用す るキャリー取引を解消したのが響いた。日本の財務省関係者が匿名を条件に、 今週米国で開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では、為替が議 題に上ると述べたことが手掛かり。

東京時間早朝では、ユーロ・円相場は1ユーロ=165円70銭台、ドル・円 相場は1ドル=116円90銭台で推移している。16日の東京株式市場の終了時 点では対ユーロは166円70銭前後、対ドルは117円40銭前後での動きだった。 19日のG7開催を控え、輸出関連株は収益押し上げ期待の後退から売り圧力が 高まるとみられる。

インテルとヤフーが時間外で上昇

米国の16日取引終了後に半導体メーカー最大手の米インテルとヤフーが 決算発表を行った。両銘柄とも株価が時間外で上昇しており、売り一巡後は電 機株を中心に下げ幅を縮小することも想定される。

インテルが発表した7-9月(第3四半期)純利益は、前年同期比43%増 益となった。ノート型パソコン向けMPU(超小型演算処理装置)の需要好調 を追い風に、売上高は前年同期比15%増の101億ドルと2年ぶりに10%を上 回った。第4四半期の売上高は105億-111億ドルに増加する見込みで、ブル ームバーグがまとめたアナリスト予想平均104億ドルを上回る。東京時間早朝 の時間外取引では、株価は通常取引終値に比べ5%近い上昇となっている。

また、ポータル(玄関)サイト大手の米ヤフーが発表した7-9月(第3 四半期)純利益は前年同期比4.6%減と減益ながら、アナリスト予想は上回っ た。他社買収や広告向け新ソフトが奏功し、成長を促していることが示唆され た。1株当たり利益は11セントで、ブルームバーグ・ニュースがまとめたア ナリスト予想平均では8セントが見込まれていた。東京時間早朝の時間外取引 では、株価は通常取引終値に比べて10%前後の上昇となっている。

オムロンやコクヨは下落見込み

個別では、主力であるインダストリアルオートメーションビジネスなどの 影響で9月中間期連結純利益が従来予想を下回るオムロン、9月中間期の連結 純損益が黒字から一転して赤字となったもようのコクヨ、9月中間期の連結純 利益予想を下方修正した信越ポリマーが業績失望から下落する見込み。税効果 会計による一時的な損失計上から、9月中間期の連結純利益を減額した大同特 殊鋼も軟調となりそう。

半面、16日のニューヨーク原油先物相場が一時1バレル当たり88.20ドル と最高値を更新した。9月中間期の連結純利益が従来予想を上回ったもようの コスモ石油を中心に、石油関連株や資源株には買いが継続する可能性がある。

このほか、9月中間期の連結純利益が前年同期比2.1倍と伸びたタカラト ミー、9月中間期の連結業績予想を上方修正した鹿島、17日の日本経済新聞朝 刊が9月中間期連結営業利益が従来予想を上回ったと伝えた旭化成などは業績 期待の買いが先行するとみられる。

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