大手米銀によるSIV救済基金、財務省主導に自由市場支持者は批判的

ポールソン米財務長官のチームが取りまと めた銀行傘下の運用会社の救済基金について、自由市場の支持者らは、銀行に 自らの判断の誤りの責任を回避させるものだとして批判的な見解を示している。

ポールソン長官のチームは大手米銀の協力を促し、資産担保コマーシャル ペーパー(ABCP)市場の機能停止で苦境に立ったストラクチャード・イン ベストメント・ビークル(SIV)と呼ばれる運用会社の救済に向けた基金設 立で合意にこぎ着けた。

米ケイトー研究所のウィリアム・ニスカネン所長は、「失望させられた」と して、「ブッシュ政権の方針に反するし、救済策は常にモラルハザードを引き起 こす。このような状況は好ましくない」と語った。ブッシュ米大統領は就任時 から、自由市場や自由貿易、小さな政府の政策を標榜している。

関係者によると、米財務省は9月16日にワシントンでウォール街の金融機 関幹部と会合を開いた。スティール米財務次官(国内財政担当)が銀行関係者 を集め、協力を促したという。

カーネギー・メロン大学のアラン・メルツァー教授は、「ブッシュ政権が ここまで市場に関与するとは驚きだ」として、「政府の人間は誰も、自分たちが 言うほどに純粋に1つの政策を支持しているわけではない」と論評した。

基金はSIVから資産を買い取る。SIVはABCPを発行して調達した 資金で金融債やサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担保証券な どを購入してきたが、ABCPが発行できなければ資産売却を迫られ、3200億 ドル相当とされる資産の投げ売りで市場環境を一段と悪化させかねない。

ポールソン長官は15日、銀行間の合意は「景気にプラス」と語るとともに、 「民間部門が中心となってまとめた案だ」として財務省の役割を擁護していた。 スティール次官は、公的資金の注入はないと強調し、基金は市場の回復を助け るための一時的な解決策だと説明した。