TOPIXが金融主導で3連敗、サブプライム警戒再び-先物売り(2)

午前の東京株式相場は、徐々に下げ幅を 拡大してTOPIXは3日続落となった。野村ホールディングスが米サブプラ イム関連損失を15日発表したことや米シティグループの決算動向から、三菱 UFJフィナンシャル・グループが前日比4.8%安となるなど金融株中心に売 られた。株価指数先物にも、損失を警戒した売り注文が増加。三菱地所など不 動産も軟調で、米住宅問題の米個人消費への波及を懸念してキヤノンや東芝な ど輸出関連も安い。東証1部銘柄の77%が下落した。

中央三井アセットマネジメントの寺岡直輝運用部長は、「米国と日本で2 つの悪材料が重なったことで、米国株以上の下落率につながった」と解説。こ れまでサブプライム問題は日本企業へ直接的な影響が少ないと見られていただ けに、「野村HDの発表によって国内株の評価がしづらくなった」(同氏)と いう。

日経平均株価の午前終値は前日比175円79銭(1%)安の1万7182円36 銭、TOPIXは22.33ポイント(1.4%)安の1635.11。日経平均に比べてT OPIXの下落率が大きくなった。東証1部の売買高は概算で8億8856万株、 売買代金は同1兆2105億円。値上がり銘柄数は292、値下がり銘柄数は1329。

東証業種別33指数の騰落状況は、値上がり業種が4、値下がり業種が29。 原油先物価格の最高値から鉱業や石油・石炭製品などが高いほか、精密機器、 パルプ・紙もプラスを維持。半面、銀行、電気機器、不動産、鉄鋼、小売、そ の他金融、情報・通信、輸送用機器は安い。

多くの金融機関が影響未発表

「野村ショック」が金融株や株価指数への売りを誘発した。野村HDは15 日、米サブプライムローンに関連した追加損失が2007年度第2四半期(7- 9月期)に730億円発生し、この影響で同四半期の連結税引前損失額が400億 -600億円に上るとの見通しを明らかにした。同社は7月段階では1-6月で 726億円の損失が発生したとしていた。

野村HDの株価は一時3.9%安まで売られた後に1%超の下落率まで下げ 渋ったものの、三菱UFJフィナンシャル・グループが一時6%超の下落率と なるなど金融株やTOPIX先物への売りが膨らんだ。「野村HDは経営の屋 台骨を揺るがす損失規模ではないことから、足元の影響が未発表の金融株に連 想売りが増加した」(みずほインベスターズ証券投資情報部の稲泉雄朗部長)。 稲泉氏によると、金融株の比率が相対的に大きいTOPIX先物への売りが下 落銘柄の増加につながったとしていた。

海外市場でも、米銀最大手シティグループのゲーリー・クリッテンデン最 高財務責任者(CFO)が15日、住宅ローンの支払い遅延は第4四半期10- 12月期に悪化する可能性を指摘した。15日の米国株市場では、住宅ローン市 場の影響が第3四半期に限られないとの見方が浮上。また、バーナンキ米連邦 準備制度理事会(FRB)議長は15日、米住宅市場の低迷が来年にかけて米 経済成長に「大きな重し」となる可能性が高いとの考えを示している。

このほか、電気機器や自動車など輸出関連株も軟調。「シティが示したよ うに10-12月期まで住宅市場悪化の影響が避けられないとなれば、米国経済 への不安から輸出関連株の株価にはマイナスになる」(中央三井アセットの寺 岡氏)という。

海外動向を注視

午前のTOPIXの下落率は前日比1.4%となり、15日のS&P500種株 価指数が前週末比0.8%安だったのに比べて下落率が拡大した。米国時間17日 にはJPモルガン・チェース、18日にはバンク・オブ・アメリカなどの決算も 控え、「国内に手掛かり材料がないだけに今週は米7-9月期決算などが目白 押しの海外動向に一喜一憂する展開となりそう」(日興コーディアル証券の大 西史一シニアストラテジスト)との見方が出ている。

フルキャスがストップ安

個別では、9月中間期営業損益が増益から一転赤字となったもようのドリ ームインキュベータが急落し、午前の東証1部値下がり率首位となった。08年 3月期の連結経常利益が一転して減益になりそうだと発表した共立印刷が下落 率2位。労働者派遣法違反で仙台地検に書類送検されたフルキャストは値幅制 限いっぱいのストップ安、8月中間期連結営業利益が期初計画を下回り、統合 効果への期待感が後退したJ.フロントリテイリングも大幅安。JPモルガン 証券が格下げした日本水産は急反落。

原油関連株が高い、日立造は急反発

半面、15日のニューヨーク原油先物相場が5日続伸で最高値を更新したこ とで、国際石油開発帝石ホールディングスや新日本石油など原油関連株が高い。 「新日石や新日鉱Hなどは原油価格上昇が会計上でも追い風となって、好決算 期待が出ている」(みずほインベ証の稲泉氏)という。

また、舶用エンジンの増産投資を発表した日立造船が急反発。07年10月 期の連結営業利益予想を引き上げたイハラケミカル工業、9月中間期連結営業 利益が従来予想を上回ったようだと発表した日本新薬もそれぞれ急騰した。北 米での刈払機順調で、第3四半期累計利益が07年11月期通期予想を上回った 共立、07年9月中間期営業利益が従来予想を上回ったもようとなったNECモ バイリングはともに続伸。

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