消費回復感で日本株の出遅れ修正続く、株主還元評価-モルスタ神山氏

モルガン・スタンレー証券の神山直樹ス トラテジストは15日、ブルームバーグ・ニュースとのインタビューで、現在 の日本株は3つの問題点があったことで割安に放置されており、その1つであ る消費が回復傾向に向かうと予想した。一方で、企業の株主還元姿勢は積極的 になっており、日本株は2007年末、07年度末に向けて世界株式の中における 相対的な出遅れ感を修正しながら上昇すると見ている。

神山氏は、現在の日本株は「比較的割安な状態にあると見ており、その理 由は3つある」と指摘。割安に放置されてきた理由として、最初に1ドル= 125円程度から115円程度となった円高トレンドにより、企業収益の悪化懸念 があった点を挙げた。買収防衛策の導入や裁判の増加を通じ、日本企業が株主 の方に向いていないとの懸念が2点目で、そこに日本の消費の弱さが加わった という。「ファンダメンタルズやテクニカル的なことが混ざって、相対的に日 本株が海外に比べて出遅れている」(同氏)。

特に消費と株式相場の関係については、「米欧の消費は良かったので株式 も順調だった。米国が良いと日本の輸出、エネルギー業種も良く、しかし銀行 や消費関連株がうまく上がらなかったのが指数の出遅れにつながった」(神山 氏)と考えている。

円も1ドル=117円程度まで戻してきたが、相対的な円高感が残るほか、 日本の企業が株主のために本当に動いているのかという懸念は引き続きあると 神山氏。ただ一方で、日本企業は買収防衛策ではかなり防衛的だったが、配当 や自社株買いを増やすという点では以前より積極的になったことは明確で、 「こうした状況が外国人投資家を含め、知られることは重要な要素で、ポジテ ィブに評価して良い」(同氏)という。

年末TOPIXは1770を予想

神山氏は、今年12月末のTOPIXの予想値を1770ポイント、来年3月 末で1820ポイント、来年12月末で1860ポイントにそれぞれ設定している。 「竹中プランから始まった経済正常化の後、日本が普通の国になったことで 2007年度は1割以上の増益が期待でき、08年度も5-8%成長につながると 考えている。また来年は消費ももう少し回復し、自信が出てこよう」と、同氏 は予想。さらに、株主還元姿勢も良くなることを勘案し、少し高めの数値を想 定しているという。

今後の投資戦略については、「見ていかなければいけないのは、米国も含 め世界景気が減速していくだろうということ。これは、サブプライム問題の後 に変わった点であり、市場も認識し始めている。その結果、1ドル=111円程 度までの円高を予想するのがわれわれのスタンスだ」(神山氏)とした。

一方で、日本企業の増配や自社株買いの増加という点ではより改善し、日 本の消費も緩やかにもう少し良くなると見ているため、「海外からの出遅れ感 も修正されながら、日本株は上昇するという大きな見方をしている」(同氏)。

中間決算までは市況株、転換点後は銀行や消費一角も

今後の投資有望業種に関して神山氏は、「時期をいくつかに区切ってみる 必要がある」との認識だ。中間決算までは、「実際に決算が良いところが重点 的に物色されていこう。海運や、エネルギー価格の上昇を受けた商社、鉄鋼を はじめとする素材、テクノロジーの一角などが対象」(同氏)という。これに 対し、年末に向けては「少し消費の回復感が出てくると思うので、銀行や消費 関連の中でも良い数字が出ているところは注目される。転換点をうまく見つけ ていくことが年末、年度末に向けた重要なポイント」(同)とした。

また、日本株のリスク要因として神山氏は、「急激な円高だ。現在は米国 景気の緩やかなスローダウンを前提としているが、これがリセッションとなっ て円高になれば、日本に大きな問題となる」と警戒している。

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