日本株は下落へ、米住宅ローン問題再燃で金融安い-化学も軟調(2)

東京株式相場は下落する見通し。15日の 米国株市場で米サブプライム住宅ローン問題への警戒が高まったことから、海 外での金融株安が波及する形で銀行や証券など金融株中心に売りが先行しそう。 中でも、サブプライム関連損失を15日発表した野村ホールディングスは下げ が大きくなる可能性がある。原油価格の最高値更新で、コスト上昇懸念から化 学株や運輸株なども売り圧力が高まるとみられる。

ファンドクリエーションの木下晃伸インベストメントアナリストは、「米 国では米大手銀行によるサブプライム対策が発表されたにもかかわらず、株価 は軟調に推移した」と指摘。野村HDの追加損失発表も加わり、「金融株や不 動産株は手掛けにくい状況が続きそう」との見通しを示した。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物12月物の15日清算値は1万 7320円で、大阪証券取引所の終値(1万7400円)に比べて80円安だった。

米シティが住宅悪化見通し

15日の米国株市場は下落。米銀最大手シティグループの2007年7-9月 (第3四半期)純利益は、前年同期比57%減と3年ぶりの大幅減益となった。 同社のゲーリー・クリッテンデン最高財務責任者(CFO)は、住宅ローンの 支払い遅延が第4四半期に悪化する可能性を指摘。住宅ローン市場の影響が第 3四半期に限られないとの見方が強まり、金融株や小売株などが売られた。

ブルームバーグが12日に集計した予想によると、S&P500種構成企業の 第3四半期決算は平均で0.6%減益と見込まれている。住宅ローンの焦げ付き 問題や住宅不況が銀行や住宅建設会社の業績に打撃を与えたとみられ、02年3 月の5.6%減益以来の減少となる公算が大きい。

米国株市場の終値は、S&P500種株価指数が前週末比13.09ポイント (0.8%)安の1548.71、ダウ工業株30種平均は108.28ドル(0.8%)安の

13984.80ドル、ナスダック総合指数は25.63ポイント(0.9%)安の2780.05。

国内では野村ホールディングスが15日、米サブプライムローンに関連し た追加損失が2007年度第2四半期(7-9月期)に730億円発生し、この影 響で同四半期の連結税引前損失額が400億-600億円に上るとの見通しを明ら かにした。サブプライムによる関連損失への警戒が再び高まることで、16日の 東京市場でも銀行や証券、保険など金融株には売りが先行しそうだ。

一方、15日のニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで上昇した。サブ プライム住宅ローン問題が金融業界の収益に悪影響を与えるとして、トレーダ ーが低利回りの円で資金を調達し、高利回り通貨で運用するキャリー取引を控 えたのが要因。16日の東京時間早朝では1ドル=117円40銭付近で推移し、 海外時間で一時117円90銭台まで進んでいた円安の進行がやや一服している。 為替の不透明感は輸出関連株の上値を抑えることも考えられる。

米で800億ドル規模ファンド設立

金融大手の米シティグループ、バンク・オブ・アメリカ(BOA)、米J Pモルガン・チェースは15日、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP) 市場の回復のために、最大800億ドル(約9兆4000億円)規模のファンドを 設立することで合意したと発表した。

米スティール財務次官は15日、ワシントンでインタビューに応じ、「今 の目標は市場を機能させることだ」と語り、ファンド設立は「市場をより健全 な基盤にする過程での一時的な解決策だ」と述べた。

原油価格が最高値

15日のニューヨーク原油先物相場は5日続伸した。終値は前週末比2.44 ドル(2.9%)高の1バレル=86.13ドルと、1983年に原油先物取引が始まっ て以来の高値を付けた。トルコがイラク北部に拠点を置くクルド人武装勢力に 軍事攻撃する可能性が高まり、ヒーティングオイルの需要期を前に同地域から の原油輸出が滞るとの懸念から買いが膨らんだ。

原油高傾向に歯止めがかからないことで、ナフサ価格上昇がコスト増加要 因となる化学株のほか、運輸株なども収益懸念が強まる恐れがある。

市況関連など下支え、海運市況は最高値

半面、原油価格や金、銅の上昇から、大手商社や非鉄金属株は販売価格上 昇が期待されて堅調となる見込み。また、15日のバルチック取引所(ロンド ン)のばら積み船の運賃指標となるバルチック・ドライ指数は1万756と7日 続伸し、最高値を更新。市況上昇による収益押し上げ期待から、海運株も相場 全体の下値を支えると予想される。

16日付の日本経済新聞朝刊によると、主要企業の2008年度の大卒採用内 定者数は今春比較比5.3%増と4年連続で増加した。金融機関が大量採用を継 続したことなどが貢献するとしている。「消費を支える給与に薄明かりが出て おり、来年は賃金増加による個人消費復活が考えられる動きが出てきている」 (ファンドクリエの木下氏)との見方があり、個人消費関連も底堅くなる可能 性がある。

出光興産やベスト電に材料

個別では、08年3月期の連結営業利益が従来予想を下回りそうだと16日 付の日本経済新聞朝刊が伝えた出光興産に売りが先行しそう。8月中間期連結 経常利益が従来予想を下回ったと発表したベスト電器、08年3月期の連結経常 利益が一転して減益になりそうだと発表した共立印刷、8月中間期連結経常利 益が前年同期比3%減となったセントラル警備保障なども業績失望から売りが 増加するとみられる。

半面、9月中間期連結純利益が440億円と従来予想の350億円を26%上回 ったもようと発表した神戸製鋼所、9月中間期連結営業利益が従来予想を上回 ったようだと発表した日本新薬、9月中間期連結純利益予想を引き上げた大阪 ガスなどは業績への評価が高まりそうだ。