日本株(終了)日経平均は反発、業績期待で商社や非鉄高い-銀行重し

週明けの東京株式相場は、日経平均株価 が小反発。海外市場で原油価格が最高値を更新したほか、個別企業の業績上方 修正や鉱山開発の一部報道が伝わり、収益拡大期待から商社や非鉄金属株が買 われた。半面、業績期待感が薄い銀行株や自動車株が売りに押され、株価指数 の上値を抑えた。

日経平均株価の終値は前週末比26円98銭(0.2%)高の1万7358円15 銭。一方、TOPIXは同2.04ポイント(0.1%)安の1657.44と続落。東証 1部の出来高は概算で16億2193万株、売買代金は2兆2600億円。値上がり 銘柄数は859、値下がりは728。

興銀第一ライフ・アセットマネジメントの宮田康弘シニアポートフォリオ マネジャーによると、「前週末の米株高や為替市場での円安基調といった追い 風はあったが、日米における企業決算やマクロ指標などの発表を控えて、投資 家は積極的に売買できない状況にある」という。

その上で宮田氏は、BRICsをはじめ新興諸国の急成長の恩恵を享受し ている「商社や海運など好業績の持続可能性が高い業種、銘柄に買いが集まり やすい」と指摘。一方、米住宅問題による金融市場の波乱や米実体経済の悪化 の影響を被ることへの懸念から「銀行株や自動車株は手掛けにくい」と述べた。

米国ではマクロ、ミクロ材料が目白押し

米国における主要企業の7-9月期決算は、15日にシティグループ、16 日はインテルやヤフー、17日はJPモルガン・チェース、18日にはグーグル やアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、19日はキャタピラーなど が予定されている。国内では19日にKDDIやオービックが9月中間決算の 発表を予定しており、来週から中間決算発表は本格化する。

米国では今週、マクロ関連の材料も多い。17日には9月の消費者物価指 数(CPI)と住宅着工戸数が発表される予定。また、18日にはG7(7カ 国財務相・中央銀行総裁会議)で、米サブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題で揺れた国際金融市場について意見交換がされる。

朝方に100円近い上昇も買い続かず

この日の日経平均は前週末比68円高の1万7399円で開始、その後98円 高の1万7430円まで上げ幅を広げる場面があったが、米シカゴ先物市場(C ME)の日経平均先物12月物の12日清算値(1万7510円)には届かなかっ た。朝方の外資系証券経由の売買動向が差し引き520万株の売り越し観測とな ったこともあり、「市場センチメントはさほど高まらなかった」(立花証券の 平野憲一執行役員)といい、朝方の買い一巡後は徐々に売りに押され、上値を 切り下げる展開となった。

日経平均は午後の取引開始直後に下げに転じ、一時は下げ幅を40円近く まで広げた。SBI証券の鈴木英之投資調査部長は、「前週末の米国株高や為 替市場での円安基調など外部環境は良好だが、ストキャスティクスやRSIと いったテクニカル指標では過熱感が見られ、短期的にはひとまず売りが出やす いタイミングにきている」と話している。日経平均のRSIは前週末時点で 64%。11日には68%と、一般的に短期売られ過ぎを示すとされる70%に接近 していた。直近で70%を超えていたのは2月下旬で、それ以来の過熱水準。

こうした中、昼の東証立会外での現物株バスケット取引は277億円成立。 市場では、売り決めがやや優勢だったとの声が聞かれた。このほか、24時間 取引のGLOBEX(シカゴ先物取引システム)のナスダック100指数先物が 午後にマイナス幅を広げたことも、投資家心理に影響したと見られている。

三井鉱がストップ高、商船三井は連日高値

総合商社株では、三井物産が2%近い上昇。三菱商事は午前中に上場来高 値を更新したが、4営業日ぶり小反落で終えた。住友金属鉱山や三菱マテリア ルといった非鉄株にも上昇銘柄が目立った。主力のコークス事業の収益拡大で、 今期(2008年3月期)の連結純利益予想を従来予想の44億円から76億円へ 増額した三井鉱山はストップ高(値幅制限の上限)。日鉱金属と三井金属が南 米のチリとペルーで銅鉱山を共同開発すると13日付の日経新聞朝刊が報じた ことを受け、新日鉱ホールディングスと三井金にも投資資金が流入した。

このほか、12日にばら積み船の運賃市況であるバルチック・ドライインデ ックス(BDI)が年初来高値を更新、上昇の勢いが増していることを背景に、 日本郵船や商船三井など海運株も買われた。商船三井は連日の上場来高値。

任天堂が5%超上昇、高周波は値上がり率首位

7-9月期の半導体・液晶製造装置合計の受注高が7月末時点の予想値を 下回った東京エレクトロンは、複数のアナリストが強気判断を維持したことを 受けて反発。家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」などの成長期待を背景に任 天堂は5%超の上昇。任天堂がけん引する形で、TOPIX業種別指数のその 他製品は33業種中で値上がり率トップとなった。

原料コスト圧縮などを背景に今期(08年3月期)の連結経常利益を従来 予想の22億円から27億円に22.7%上方修正した日本高周波鋼業は26%高と 急反発し、東証1部の値上がり率首位。次世代ディスプレーの有機EL事業 (エレクトロ・ルミネッセンス)に参入すると、14日付の日経新聞が報じた セイコーエプソンは3営業日ぶり反発。

3大金融グループ安い、富士急は安値更新

一方、みずほフィナンシャルグループ、三井住友フィナンシャルグルプ、 三菱UFJフィナンシャル・グループといった三大金融グループ株がそろって 下落。TOPIX銀行株指数は値下がり率1位となった。三菱地所など不動産 にも下げが目立ち、その他金融、証券も軟調。10月に入ってから前週末12日 までの東証33業種の騰落状況を見ると、この日軟調だった証券、その他金融、 銀行、パルプ・紙などは上昇率上位に入っていた。

トヨタ、ホンダ、日産自動車といった自動車株も売られた。また、主力製 品であるHDD(ハードディスク駆動装置)ヘッドへの価格プレッシャーが中 期的により強まるとして、一部アナリストが目標株価と投資判断を引き下げた TDKが反落。

他社遊園地の遊戯施設の事故などの影響を受け、今期(08年3月期)の 連結経常利益を従来予想の43億円から26億1000万円に減額修正した富士急 行は大幅続落で年初来安値を更新。

新興3市場は高安まちまち

国内新興3市場の株価指数は高安まちまちとなった。ジャスダック指数が

0.04ポイント(0.1%)高の78.41と小反発。東証マザーズ指数は13.87ポイ ント(1.6%)安の867.62と続落、大証ヘラクレス指数は10.78ポイント (0.8%)安の1370.57と反落。

ジャスダック市場では、トッキが大幅高。インテリジェンス、竹内製作所 が買われた。2007年9月中間期の連結経常利益予想を上方修正したイマジニ アは小反発。半面、2007年8月期の業績予想を下方修正したコシダカはスト ップ安(値幅制限の下限)水準まで売り込まれた。SBIイー・トレード証券、 プロパストが安い。

マザーズ市場では、2007年8月中間期の連結経常益予想を下方修正した サマンサタバサジャパンリミテッドが大幅続落。直近上場のリアルコムが売ら れ、ACCESS、オンコセラピー・サイエンスが安い。半面、昼休み時間帯 に2007年8月期の連結経常損益が3億6400万円の黒字(前の期は5200万円 の赤字)だったと発表した鉄人化計画が大幅反発。ネット広告を手掛けるサイ バーエージェントやサイバー・コミュニケーションズも高い。

きょう新規上場したアールエイジは公開価格(7万円)の約2倍にあたる 14万2000円まで気配値を切り上げたが、初値は付かなかった。

ヘラクレス市場では、上場4日目となるテクノアルファがストップ高比例 配分となった。ゼンテック・テクノロジー・ジャパン、テクノアルファが大幅 高。エン・ジャパンやぐるなびも買われた。半面、ダヴィンチ・アドバイザー ズ、大阪証券取引所、マネーパートナーズが安い。