米財務長官は防戦か、監視強化やドル安対応求める欧州-19日にG7

米ゴールドマン・サックス・グループの最 高経営責任者(CEO)を務めた金融界のかつての「覇者」、ヘンリー・ポール ソン米財務長官が防戦を強いられることはあまりない。しかし19日にワシント ンで開かれる7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)では守勢に立つことを 余儀なくされそうだ。

欧州各国の政府は金融業界に対する監視体制の強化とドル安への対応を求 め、ポールソン長官の放任主義を転換するよう求めている。長官はドル安への 対処を求める声を退ける一方で、監視強化に要請には応じざるを得ないかもし れない。

米財務省の元エコノミストで現在は外交問題評議会の研究員を務めるブラ ッドセッツァー氏は、外国からの「要求に対してただ『ノー』と言うだけで済 む」時代はもう終わったと指摘した。

ポールソン長官の反撃力は弱まっている。8月の信用市場の混乱は、金融 界の権威という長官の評判に傷をつけた。元カナダ政府当局者で現在はトロン ト大学のG8リサーチ・グループのディレクターを務めるジョン・カートン氏 は、ポールソン長官について「ウォール街出身でマーケットについて精通して いるはず」だが、状況を「きちんと把握しているという長官からのコメントは 耳にしていない」と語った。

欧州側はまた、米国の信用力の低い人向け住宅融資(サブプライムローン) やこうしたローンをまとめた証券に対する評価が甘過ぎるとして、米国の格付 け会社に対する監督を強化するよう求めている。導入される可能性があるのは、 格付け会社のコンサルティング事業と格付けサービス事業を分離し、利益相反 を回避する措置だ。

金融安定化フォーラム

ポールソン長官は既に、1990年代後半のアジア金融危機をきっかけに創設 されたG7の下部組織「金融安定化フォーラム(FSF)」に最近の市場混乱へ の対応策を検討させることに同意。イタリア中央銀行のドラギ総裁が議長を務 めるFSFの作業部会は、19日開催のG7に工程表を提出。来年4月までに最 終報告書をまとめる。

国際通貨基金(IMF)の元主任エコノミストで現在はシカゴ大学教授の ラグラム・ラジャン氏は「米国は圧力にさらされることになる」と指摘した上 で、「これまでのやり方を変える義務を若干負わされる可能性がある」との見通 しを示した。

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