米グーグル:広告市場で戦略のほころびか-タイムとの契約に至らず

米出版大手タイムのビベック・シャー氏は、 同社のウェブサイトに広告主を呼び込むため、グーグルとヤフー、マイクロソ フトのうちどの企業が最も効率良いサービスを提供するか見極めるのに6カ月 間を費やした。

シャー氏は結局、3社のいずれでもなく、ニューヨークの非公開企業クウ ィーゴ・テクノロジーズと総額1億ドル(約117億円)の3年契約を6月に結 んだ。クウィーゴは「CNNマネー・ドット・コム」など15余りのサイトの広 告スペースを扱うことになる。

406億ドル規模のオンライン広告市場では、グーグルがライバル企業を圧 倒してきたが、ここにきてその戦略にほころびも見え始めている。

クウィーゴは、タイムなど有名な出版社をターゲットにし、広告主が広告 を載せたいウェブページを特定することを可能にする契約を売り込んでいる。 グーグルも同様のサービスを提供しているものの、クウィーゴの方がこの手法 を編み出した先駆者として優位を保っている可能性が高い。

タイムでフォーチュン/マネー・グループの社長を務めるシャー氏は、同 社の「希望にクウィーゴが沿ってくれた」と話す。

クウィーゴとの契約を通じ、出版社は自社の販売力を活用し、広告を直接 販売することができる。グーグルと競合するほかの企業、例えばアイワンダー やポイントロールは、人気が高まっているビデオやアニメ関連の広告に特化し ている。

グーグルの売上高伸び率は2007年4-6月(第2四半期)に58%と前年 同期の77%から落ち込んだ。同社は動画共有サイト、ユーチューブを通じた広 告などを手掛けるようになったものの、こうした新たな試みから得られる収入 の伸びがどの程度になるかは未知数だ。

事業の片寄り

ファーストハンド・キャピタル・マネジメント(カリフォルニア州サンノ ゼ)で7億ドル相当を運用するケビン・ランディス最高投資責任者(CIO) は、グーグルが「利益を上げるのに事業の特定の分野に大きく依存している」 と指摘する。同氏は昨年の早い時期から、検索関連広告への依存度が大きいこ となどから、グーグル株保有を拡大していないという。

11日の米ナスダック(店頭登録株式)市場では、グーグルの株価は前日比

3.39ドル安の622ドル。年初来では35%上昇。3年前の新規株式公開(IP O)以来、株価は7倍以上になっている。

スターリング・マーケット・インテリジェンス(カリフォルニア州オーク ランド)のアナリスト、グレッグ・スターリング氏は、グーグルの影響力が大 きくなっていることから、一部の広告主はグーグルに頼らない広告提供を模索 していると説明する。グーグルの成功と規模、力が「皮肉なことに脆弱(ぜい じゃく)さと弱点の1つ」になっているのだという。