NY外為:ユーロ上昇、対円で7月以来の高値-ECB利上げ観測(2)

ニューヨーク外国為替市場ではユーロが 上昇。欧州中央銀行(ECB)政策委員会メンバーのウェーバー独連銀総裁が インフレ抑制を維持するための利上げの必要性に言及したことから、ユーロは 対円で7月以来の高値に買い進まれた。

ユーロは対ドルで3日続伸。ECBのトリシェ総裁はユーロ圏経済の成長 は「力強い」との判断を示し、対外貿易は活力に満ちていると述べた。また日 銀は政策金利を主要国中で最低の0.5%で据え置いた。

ウエストパック銀行のシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロ ビッチ氏は、「ECBは非常にタカ派的だ」と指摘。「今後6カ月内に利上げ が再開される可能性があり、これを背景にユーロへの強気は続くだろう」と述 べた。

ニューヨーク時間午後4時5分時現在、ユーロは対円で前日比0.3%上昇 し、1ユーロ=166円31銭。一時は7月23日以来の高値、同167円64銭 に上昇した。ユーロは同日、168円99銭の対円最高値を記録している。対ド ルでは前日比0.3%上昇の1ユーロ=1.4188ドル。10月1日に記録した最高 値、1.4283ドルに接近した。円は対ドルでほぼ変わらずの1ドル=117円23 銭。

ウェーバー氏は講演テキストで、「物価安定へのリスクが現実化する脅威 が強まる場合、たとえ活況な景気への支援をやめることになろうと、あるいは 引き締め的になることを意味しようと、金融政策として最大任務を見失なうこ とがあってはならない」と述べた。さらに、「ユーロ圏で今後数カ月にわたり インフレが加速するとの見通し」に基づき、金利を引き上げる「さらなる必要 性」が生じるかもしれないと付け加えた。

インフレ懸念

ECBは先週の政策委員会で、それまで示唆していた利上げを見送り、政 策金利を4%で据え置いた。ECBは信用コスト上昇と金融市場の波乱による 経済的影響を見極めたいとの見解を示した。

9月のユーロ圏インフレ率は前年同月比で初めてECBが設定した2%の 上限を上回った。ECBは来年にかけて2%を「大きく」上回る状態が続くと みている。

トリシェ総裁はモスクワでの記者会見で、ユーロ圏経済は「潜在成長率付 近での推移」を続けるとの見方を示した。

日銀は11日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標 を「0.5%前後」とする金融調節方針を8対1の賛成多数で決定した。反対し たのは水野温氏審議委員だけだった。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエ コノミスト39人の調査では、全員が据え置きを予想していた。

福井総裁

日銀の福井俊彦総裁は定例会見で、「国際金融市場は幾つかの改善の動き が見られているが、全体としてはなお不安定な状態が続いている」と指摘。米 国経済については「住宅市場の調整の影響が住宅価格にどう出るかが最大の不 確定要因」と語った。

対円でのユーロ・オプションのインプライドボラティリティ(1カ月ベー ス)は8.5%に低下。8.48%を記録した7月25日以来の最低に落ち込んだ。 前日は8.85%だった。ボラティリティ低下は通貨変動幅の縮小を予想させる ことから、日本などの低金利で調達した資金を高利回り通貨で運用するキャリ ー取引の活発化につながりやすい。

キャリー取引運用通貨国であるニュージーランドの政策金利は8.25%、 オーストラリアは6.5%に設定されている。

テンパス・コンサルティング(ワシントン)のストラテジスト、マーク・ メドウズ氏は、「日銀の利上げは当面なさそうだとの見方から、キャリー取引 が復活している」と述べた。

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