7&i:中間純利益は微増-ヨークなど新連結効果と特損が相殺(5)

国内小売グループ最大手のセブン&アイ・ ホールディングス(7&i)が11日発表した8月中間期連結決算は、純利益が 前年同期比0.7%増の691億円となった。ヨークベニマルとロフトが新たに連結 対象に加わったことによる増益効果があったものの、特別損失に商品券回収損引 当金の繰り入れを計上したため、微増益にとどまった。

第2四半期(07年6-8月)の純利益は前年同期比0.2%増の334億円とな った。同数値は、ブルームバーグが中間期の実績から第1四半期を差し引いて算 出した。

中間期の連結営業収益(売上高)は前年同期比10%増の2兆8168億円だっ た。新規に連結化した食品スーパー、ヨークベニマル分の上乗せもあり、スーパ ーストア事業が20%増となった。主力のコンビニエンスストア事業は6.6%の増 収。また3月に連結子会社化した生活雑貨専門店「ロフト」が加わった百貨店事 業は4.0%増。金融関連事業は20%増となった。

営業利益は同1.3%増の1440億円だった。経常利益は同4.3%増の1454億 円。ヨークベニマルの連結子会社化やヨーカ堂で進めている人件費・賃料見直し などのコスト削減策が増益に貢献。独自の電子マネー「nanaco(ナナ コ)」導入に伴う費用増加を吸収した。

国内コンビニ、ヨーカ堂、既存店売上高不振

事業別の営業利益は、コンビニ事業が「nanaco」の導入や情報システ ムの更新費用が響き、同2.6%減となった。米国セブン-イレブンインクは16% 増と伸びたが、セブン-イレブンジャパンは6%の減益だった。国内の既存店売 上高は1.7%減。

村田紀敏社長は「足元の消費環境は厳しく、まだまだ続くだろう」と述べ、 国内コンビニ事業について「客数は伸びているが、なかなか客単価が伸びない。 店頭での欠品防止のため、システムによる発注支援などバックアップ体制をとっ ていきたい」と語った。

スーパーストア事業は、ヨークベニマル分の上乗せやヨーカ堂の不採算店 舗の閉鎖などにより同67%伸びた。ただ、ヨーカ堂の既存店売上高は2%減。 商品別では、衣料品が4%落ちたほか、住居関連が2%、食品も1%とそれぞれ 前年同期を下回った。金融事業は17%減。セブン銀行のATM(自動預け払い 機)端末を自社保有に切り替えたことなどにより、コストが膨らんだ。

コスモ証券の小川浩一郎アナリストは「主力の国内コンビニ事業はよくない。 将来的に『nanaco』との連携がどれだけ売り上げにプラスに働くのか注目 したい。ヨーカ堂も店舗閉鎖やコスト削減が奏功しているが、実際、商品価格の 値上げなど事業環境の悪化もあり、足元は厳しくなるだろう」とみている。

4月23日にサービスを開始した「nanaco」の発行件数は10月10日 時点で500万件を突破した。08年5月末までの発行件数目標は1000万件。村田 社長は「利用者の客単価が14-15%アップしている」と述べ、今後の「nan aco」効果に期待を寄せた。

一方、村田社長は、相次いでいる食品メーカーなどの値上げについて、「一 部の商品には値上げがあるかもしれないが、企業努力が最優先」と述べた。同一 商品の地域別価格については、「原材料がすべての価格を決めるのではなく、も のづくりの仕組みや工夫などによって決まる」とし、「地域や店舗にあった品揃 えはするが、一物二価、三価はない」と述べ、導入しない方針を示した。コンビ ニ2位のローソンは地域別価格の導入を検討している。

通期は純利益のみ下方修正

中間期に未使用商品券の回収損引当金約70億円を特別損失に計上したこと を受け、通期(08年2月期)は連結純利益を従来予想から下方修正した。前期 比8.7%増の1450億円となる見通し。当初は同12%増の1500億円を見込んでい た。

その他の通期見通しは、営業収益が同7.8%増の5兆7550億円、営業利益 が同4.6%増の3000億円、経常利益は同3.5%増の2920億円と従来予想をそれ ぞれ据え置いた。

7&iの株価終値は前日比変わらずの3090円。