【米経済コラム】サブプライムの借り手に逃げ道あり-J・ベリー

サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅 ローン市場は一般人の多くには多分、不可解なことだし、この問題に巻き込まれ た借り手の被害の軽減を目指す当局者の多くにとっても謎だ。

金融機関などとは無関係の独立系住宅ローン・ブローカーの監督制度の確立な ど、将来的に借り手を保護するために実施できることは多い。こうしたブローカ ーは、住宅購入者に返済能力を超えるローンを押し付けて多額の手数料を受け取 っていたし、一部の借り手は住宅価格が上昇し続ければ大丈夫だと思い込んでい た。

すでに住宅差し押さえの恐れのある住宅所有者を支援するには、問題の経緯を 理解する必要がある。ボストン連銀のローゼングレン総裁はニューイングランド 地域のサブプライム市場のデータ収集プロジェクトに着手し、こうしたローンの 借り手に何か起こったのか把握する作業を進めている。他の11の地区連銀もこ れに続くべきだろう。

ボストン連銀の研究員によるこれまでの検証結果から、窮地にある住宅所有者 の多くは、意志さえあれば地域銀行(コミュニティーバンク)のプライムローン の審査で適格とされる可能性があるとローゼングレン総裁は確信している。

ティーザー・レート

マサチューセッツ州ミドルセックス郡で昨年サブプライム住宅ローンを借りた 人は、当初の適用金利が平均8.35%だった。これはいわゆる「ティーザー・レー ト」と呼ばれるもので、当初の金利の適用期間終了後に金利が上乗せされるため、 結局9.5%程度の金利負担となる。もちろんこれは、昨年の30年物固定住宅ロー ン金利の平均6.4%を大きく上回る水準だ。

ローゼングレン総裁はこれまでに分析されたデータを10日の講演で公表して おり、持ち家喪失の危機にある人々の救済を目指す州・連邦当局者を支援するた め、今後の分析作業の進行に応じてその内容が公表されていくだろう。

研究員の検証によると、サブプライム住宅ローンを借りた人の約3分の2は、 FICOの信用力評価が通常、プライム住宅ローンの審査で適格とされる620を 超えていた。ローゼングレン総裁は、「サブプライム住宅ローンを借りたのは、 借り入れ比率を高くした住宅購入を選んだのか、あるいは高コストの住宅ローン を借りるよう誘導されたためなのかもしれない」が、「いずれにせよ、こうした 借り手が他の住宅ローン商品に借り換え可能な状況にある事実に気付いたことは 勇気付けられる」と指摘。サブプライム住宅ローンの金利は他に比べてはるかに 高いため、「これらの借り手がプライムローンで適格となれば、金利負担は大幅 に軽減される可能性が高い」と述べた。

アグレッシブなブローカー

根底にある問題の一つには、銀行や貯蓄金融機関が規制を受けないアグレッシ ブなブローカーにサブプライム市場を譲ったことがある。ブローカーは見込みの ありそうな顧客を探せる限り開拓してきた。金融機関の大半は通常、住宅ローン を借りたい人を座って待っているだけだ。

サブプライム住宅ローンの借り手全員に非がないと言うわけではないし、多く の借り手が住宅価格の上昇を受けて与信を受けていたことは明らかだ。

ボストン連銀のデータはサブプライム市場の非常に複雑な構図を浮き彫りにし ている。確かに差し押さえは増加しているが、借り手側や金融機関による時宜に かなった行動により、多くの住宅保有者は持ち家を手放さなくても済むだろう。

サブプライム問題に関するボストン連銀の検証結果の詳細を基にすれば、ロー ゼングレン総裁と協議した銀行担当者は、収益を得ると同時に人の役に立つチャ ンスがあるということに気付くはずだ。(ジョン・ベリー)

(ジョン・ベリー氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。 こ のコラムの内容は同氏自身の見解です)