8月機械受注:船舶・電力除く民需は7.7%減-トレンドは堅調(4)

内閣府が11日発表した8月の機械受注 統計によれば、国内民間設備投資の先行指標と言われる「船舶・電力を除く民 需」は前月比で2カ月ぶりに減少した。前月に大幅に増加した反動などが主因 で、設備投資のトレンドは堅調であるとの見方が強い。

「船舶・電力を除く民需」は季節調整済みで前月比7.7%減少し総額は1兆 375億円。内訳は製造業が同8.6%減。非製造業が同7.6%減。受注額の変動の 激しい船舶・電力を除いた民需はコア機械受注とも呼ばれ、ブルームバーグ・ ニュースが民間エコノミスト42人を対象にした調査によると、予測中央値で 前月比5.6%減が見込まれていた。

コア機械受注は民間設備投資に1-2四半期ほど先行すると言われている。 同数値は毎月の振れが大きいが、エコノミストの間では、輸出・生産の持ち直 しや円安傾向に支えられ、企業の設備投資意欲は引き続きおう盛に推移してい るとの見方が強い。8月の鉱工業生産指数は過去最高水準で、前月比3.4%上 昇と2カ月ぶりのプラス。日本銀行の9月調査の企業短期経済観測調査(短 観)では、大企業・全産業の2007年度設備投資計画は前年度比8.7%増と前回 6月調査の7.7%増から上方修正されている。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング主任研究員の小林真一郎氏は、ブ ルームバーグ・テレビに出演し、「ほぼ予想通りの結果」と指摘したうえで、 「ならしてみると、やや基調的に上向いている」とし、7-9月期について、 9月が前月比横ばいであっても恐らく5.1%上昇の数字となり、内閣府が公表 している見通しの3.7%上昇を上回ると予想した。

また、農林中金総合研究所の南武志主任研究員は発表後、「基調としては 今春をボトムに持ち直しの動きが続いているだろう」と述べた。ただ、「最近 は弱まっているとはいえ、機械受注の先行性を考慮すれば、目先はGDP(国 内総生産)ベースの民間設備投資に弱さが残る可能性があり、景気をけん引す るほど大きく増加することは見込み難い」とした。

統計発表前のドル円相場は1ドル=117円16銭前後。発表後はいったん買 われ、同117円23銭となったが、小動きの展開。

サブプライム問題は影響見られず

9月調査の日銀短観同様、8月の機械受注でも、米サブプライム(信用力 が低い個人向け)住宅ローン問題に端を発した金融市場の混乱が、企業の投資 マインドなどに大きな影響を与えていないことを示す形となった。

農中総研の南氏は「米サブプライム問題が表面化し、米国など世界経済に 対する懸念が浮上する中でも、日銀短観では07年度の設備投資計画が上方修 正されるなど、企業の設備投資意欲は引き続きしっかりしている」と指摘した。

ただ、今後については「米サブプライム問題が米国の個人消費に悪影響を 及ぼす可能性は払拭されたとはまだ判断しがたい」と強調。大田弘子経済財政 政策担当相も2日の会見で、「実体経済への影響はむしろこれから注意してい かなければならない」と慎重な姿勢を示している。

基調判断は据え置き「一進一退」

コア機械受注は、今年1-3月期に前期比0.7%減、4-6月期に同

2.4%減と2四半期連続でマイナスとなった後、7-9月期にプラスに転じる かが注目されている。内閣府経済社会総合研究所の舘逸志景気統計部長は、8 月の結果を受けて、基調判断について「一進一退で推移している」とし、3カ 月連続で判断を据え置いたことを明らかにした。

同部長は、9月は前月比横ばいでも5.1%上昇になるとし、また4.1%減 少であっても内閣府公表の3.7%増見通しは達成可能だと説明。そのうえで7 -9月期は「見通しを上回る可能性が高い」と指摘した。

舘部長は主要業種の基調について、景気循環と連動している工作機械につ いては、「高水準ながら前年同月比で横ばい基調を示している」と指摘。また 半導体製造装置などの電気機械は、年前半の減少を経て調整は軽微にとどまる との見方がある中、今後、具体的にどう展開するのか、また、自動車工業につ いては外需に支えられ「少し上向いてくるか」などが注目されるとの認識を示 した。

8月のコア機械受注の減少要因となった業種は、電気機械、その他製造業、 精密機械など。上昇に寄与した業種は、一般機械、自動車工業、非鉄金属など だった。統計上、民需には含まれない外需は前月比23%上昇の1兆2081億円。 原動機、発動機、産業用機械などの受注が伸びた。民需、官公需、外需、中小 企業の設備投資が含まれる代理店を含めた総受注額は同7.1%増の2兆7755億 円と過去2番目の高水準だった。

共同取材:鎌田泰幸、亀山律子 Editor:Hinoki(kok、tkm、hoz)

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