トリシェECB総裁:インフレリスク上振れの見通し-議会証言(2)

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は9 日、ブリュッセルの欧州議会の経済金融委員会で証言し、ユーロ圏経済のインフ レリスクが上振れだとの認識を示した。同総裁は、信用市場の混乱やユーロ相場、 米金融当局、ユーロ圏経済のインフレ見通しと経済成長などについて以下の通り 発言した。

◎信用市場の混乱について:

「われわれは、非常に複雑で多角的な現象に直面している。市場参加者が今 後もリスク管理を改善させるよう促す必要がある」

◎ユーロについて:

「ユーロ相場がファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映すべきだ と再び強調したい。過剰なボラティリティ(変動性)と不規則な相場の動向は経 済成長にとって望ましくない。この件については今月の7カ国財務相・中央銀行 総裁会議(G7)で協議する予定だ」

◎米金融当局について:

「われわれは米金融当局と非常に緊密な関係を保っている。私はバーナンキ 米連邦準備制度理事会(FRB)議長と、市場の調整局面で、連絡を取っていた。 欧米の金融当局は多くの点で共通の認識を持っている」

◎リスク管理について:

「透明性を向上させ、リスク管理を改善する必要がある。規制枠組みの一部 を見直すべきだ」

◎金融市場について:

「マネーマーケットには若干の改善の兆候が見られる。ひっ迫した状態は続 くだろう」

◎ユーロ圏のインフレと経済成長について:

「最近の経済指標は、物価安定性へのリスクが中期的に上振れを保つとのわ れわれの見方を裏付けた。エネルギー価格の好ましくない影響が、向こう数四半 期の間、インフレ率に対し好ましくない影響を与えるだろう」

「最近の原油相場の大幅上昇」を受け、「インフレ率は向こう数カ月間、 2%を大幅に上回る水準を維持するものとみられる。再び低下に向かうのは 2008年1-3月(第1四半期)の後だろう」

「08年の予想データは、実質GDP(国内総生産)がほぼ潜在成長率に沿 うとの大方の見方を支えている。金融市場の不安定さを考慮すれば、この予想に は不透明要因が多い。成長へのリスクは下振れと判断される」

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE