町村氏:ISAF参加できず、民主代表に反論-法改正必要と石破氏

町村信孝官房長官は9日午前の衆院予算委員 会で、民主党の小沢一郎代表が、政権を担当する場合に国連決議に基づいてア フガニスタンで活動する国際治安支援部隊(ISAF)への参加に前向きな姿 勢を示したことについて、「いくら安保理決議があったとしても、憲法9条によ って禁じられている武力行使は許さないというのが伝統的な日本の憲法解釈 だ」と述べた。

その上で、「直ちにISAFに参加するという議論にくみするわけにはいか ない」と言明、現状での参加は不可能だとの政府の立場を示し、小沢氏の主張 に反論した。

石破茂防衛相も、「政府が今まで取ってきた立場とは、今、ISAFに参加 すること、まして武力行使を伴うISAFに参加することは憲法上、認められ ないということだ」と言明。その上で、「仮にISAFに参加するなら、憲法上 の問題をクリアするとともに、集団的自衛権の行使が必要ならそのための憲法 解釈の変更、そのための法律が必要だ。自衛隊法の改正、武力攻撃事態法の改 正が必要だ。そういう一連のパッケージを示さないと議論の意味がない」と語 った。

民主党の小沢代表は9日発売の月刊誌「世界」に寄せた書簡で、海自がイ ンド洋で行っている給油活動に、反対の姿勢をあらためて強調した。その一方 で、ISAFに関して、「政権を取って外交・安保政策を決定する立場になれば、 ISAFへの参加を実現したい」と表明した。いずれも自民党の谷垣禎一政調 会長、中谷元安全保障調査会長(元防衛庁長官)の質問に対する答弁。このほ かの発言は次の通り。

石破氏:「インド洋でテロリスト、麻薬、資金、武器などが世界中に拡散し ないようにということで、現在、5カ国の15隻が活動している。油が切れて一 度港に戻ると、大変非効率になる。このようにして見張っている船に対して補 給するのが日本の活動だ。走りながら補給するのは大変な技術が必要だ。長い 場合は6時間行う。テロの警戒を怠らずに6時間補給するという高度な技術を 持った補給艦は世界中にそんなにあるわけではない」

石破氏:「気温は軽く40度を超え、体感温度は軽く50度を超える。甲板の 暑さは70度を超える。不快指数は100を超える。それだけの緊張を強いられな がら、高度な補給技術を駆使している。おそらく日本は世界最高レベルを持っ ている。その結果、この地域で各国の活動を支える極めて重要な基盤になって いる。これが日本の国益、世界に果たす責任の両方を満たすものだ」

中谷氏:「国連決議1368には国際平和・安全に対する脅威だとテロを認定 して、これまでの決議の完全な実施を求め、あらゆる必要な手段をとる用意が あるとうたっている。国連決議1776では、現に言葉として、不朽の自由作戦(O EF)という名前を挙げて、必要な可能性、貢献の評価をうたっている。この ほかにも国連決議1267、1333でテロを認定している」

中谷氏:「こういった決議が世界各国が参加して安保理で決議された。小沢 氏はこのOEFの海上阻止活動(OEF-MIO)について『米国の一方的な 自分自身の孤立主義とか過度の自負心による国連はじめ国際社会の調和を乱す 行為だ』と非難しているが、本当に正論だろうか」

高村正彦外相:「自衛隊の海上補給活動はまさに国際社会の総意を受けてや っている。『テロを防止・抑止するために国際社会は積極的に努力してほしい』 という国連安保理決議1368に基づいてやっている。そして安保理決議1776は 自衛隊活動を含む活動について評価し、継続してほしいと言っているわけだか ら、まさに国際社会の総意を受けている活動だ」

石破氏:「アフガニスタンの陸上でOEF、国際治安支援部隊(ISAF)、 地方復興支援チーム(PRT)に多くの国が参加している。ISAFは37カ国 で、スイスや韓国が参加している。OEFはタリバン掃討、ISAFは治安維 持・確保、PRTは人道復興支援を行っている。それはすべて、陸上で多くの 犠牲者を出しながら多くの国が戦っている。米国の戦いではないという現実を きちんと見なければならない」

石破氏:「アヘンの9割はアフガニスタンで生産されて資金源となっている。 これは国連がきちんと出した数字だ。それが流出して資金が入ることは止めな ければならない。武器の出入、テロリストの出入もそうだ」

石破氏:「あのインド洋でわずか15隻の船が活動していて、補給活動が必 要だ。日本にとって、石油の99.6%は輸入だ。そのうちの9割はこの地域に頼 っており、日本に油を運ぶタンカーが1日に3、4隻通行している。この海域 が安全であるように哨(しょうかい)している米国、ドイツ、フランス、英国 の海軍の船に補給している。それは日本の国益を守ること以外ではない。そし て世界のために日本が果たすべき責任以外のなにものでもない」

中谷氏:「民主党の小沢代表が『政権を取って外交・安保政策を決定する立 場になれば、ISAFへの参加を実現したい』と表明した」

石破氏:「石破茂防衛相「政府が今まで取ってきた立場とは、今、ISAF に参加すること、まして武力行使を伴うISAFに参加することは憲法上、認 められない。小沢代表の論文を読ませていただいたが、小沢代表は当時、自由 党に所属されていた。自由党はあのときに別の集団的自衛権を認めるという法 律を出した」

石破氏:「仮にISAFに参加するなら、憲法上の問題をクリアするととも に、集団的自衛権の行使が必要ならそのための憲法解釈の変更、そのための法 律が必要だ。自衛隊法の改正、武力攻撃事態法の改正が必要だ。そういう一連 のパッケージを示さないと議論の意味がない」

町村氏:「小沢氏の書簡が民主党の見解なのか、個人の見解かわらかないと ころがミソなのだと思う。ISAFの活動に参加したらどうかという積極的な 問題提起は評価して受け止める。しかし、いくら安保理決議があったとしても、 憲法9条によって禁じられている武力行使は許さないというのが伝統的な日本 の憲法解釈だ。直ちにISAFに参加するという議論にくみするわけにはいか ない」

中谷氏:「テロ対策特別措置法に基づいて給油された燃料が、別の目的に使 われているのではないかという疑念がある」

石破氏:「テロ特措法の目的以外には使わないということを各国と交換公文 を交わしている。補給する際は、バーレン調整をきちんとしている。『空になっ たのでレギュラー満タン』ということではなくて、いったいどのような作戦に 従事し、どれだけ量が必要なのかということを調整した上で補給を行っている」

石破氏:「そして目的外に使われたことがないのかという民間団体からのご 指摘があり、米国に問い合わせて、『それはない』と確認した。しかし、米国が 言っていることの裏付けが必要であり、向こうが言っていても不十分だ。理由 も付して可能な限り情報を開示したい」

石破氏:「2003年5月16日、わたしが防衛庁長官だったが、衆院安全保障 委員会で、答弁の中で、同年2月25日の海上自衛隊の補給艦から米国補給艦へ の給油量を20万ガロンだと申し上げたが、これは80万ガロンだったといこと で、役所から訂正している。あらためてわたしから訂正したい」

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