NY外為(8日):ドル・ユーロ8月来最大の上げ-米利下げ観測後退(2)

ニューヨーク外国為替市場ではドル が上昇。トレーダーが今月末の次回定例米連邦公開市場委員会(FOM C)での利下げ見通しを弱めるなか、ドルは対ユーロでは8月以来最大 の上げとなり、対円でも上昇した。

5日に発表された雇用統計で米リセッション(景気後退)懸念が弱 まったことを背景に、ドルの買いが膨らんだ。8日開かれた欧州財務相 会議でユーロ高問題が協議されるとの観測もユーロ売りにつながった。

FXソリューションズのチーフ市場アナリスト、ジョー・トレビサ ニ氏は「米経済は崩壊していない」と指摘。さらに、「利下げ見通しが 後退するなか、ドルの回復が進む見通しだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルはユーロに対し前週末比

0.7%高の1ユーロ=1.4042ドルと、8月15日以来最大の上げとなった。 今月1日に同1.4283ドルの過去最安値を付けて以来、ドルは1.4%上昇 している。ドルは対円では前週末比0.4%上昇し1ドル=117円41銭。 一時は8月15日以来の高値となる同117円61銭を付けた。

ドルは英ポンドに対しては前週末比0.3%高の1英ポンド=2.0356 ドル。ドルは対スイス・フランでも0.7%上昇し1スイス・フラン=

1.1865ドル、カナダ・ドルに対しても0.7%上げて1カナダ・ドル=

1.0130ドルとなった。

INGファイナンシャル・マーケッツの自己勘定取引ディレクター、 マシュー・カッセル氏(ニューヨーク在勤)によると、8日は米国がコ ロンブスデーの祭日だったことから出来高は通常を少なくとも30%下回 った。

ユーロ高に関する発言

欧州委員会のアルムニア委員(経済・通貨担当)は経済が「順調に 回復している」と述べた。また、ユーロのどの水準が経済を圧迫するこ とになるかとの質問に対し、「それは市場に対する良い質問だ」と述べ るにとどめた。

スペインのソルベス経済・財務相は8日、「経済のファンダメンタ ルズ(基礎的諸条件)が為替相場に反映されるべきだ」と述べた。フラ ンスのラガルド財務相は5日、8日に開かれる欧州財務相会議で対ドル でのユーロ高を抑えるために欧州中央銀行(ECB)によるユーロ売り 介入を協議するべきだとの見解を示していた。

イタリアのプローディ首相やルクセンブルクのユンケル首相兼財務 相は先週、ユーロ相場の上昇について懸念を表明した。

仏クレディ・アグリコルの証券部門、カリヨンの通貨ストラテジス ト、ダラフ・マー氏(ロンドン在勤)は「ユーロの上昇が一部に不安を 引き起こしていることは明らかだ」と指摘した。

ユーロは対円では前週末比0.3%安の1ユーロ=164円87銭、ユー ロは対英ポンドでも0.3%下げた。

ドル指数

国際通貨基金(IMF)のラト専務理事がドルは貿易加重平均でみ て過小評価されていると述べたこともドルの支援材料となった。

同専務理事はマドリードで記者団に対し、「貿易加重平均という観 点からはドルは等価を下回っている」と語った。

連邦準備制度理事会(FRB)のドル・インデックス(貿易加重平 均指数)は5日に74.34と、1971年の同指数算出開始以来の最低水準に 低下した。

デイリーFXドットコムの上席通貨ストラテジスト、ボリス・シュ ロスバーグ氏(ニューヨーク在勤)はドル安が「米輸出セクターには明 らかに支援となっており、過去数カ月間見られている住宅市場の低迷を 幾分相殺している」と指摘した。さらに、「ユーロの大幅高が実際、欧 州経済を圧迫し始めている。ユーロが対ドルで1ユーロ=1.45ドル水準 を上抜けることになれば、欧州の輸出セクターは強い圧迫を受けること になろう」と語った。