FRB副議長:利下げ大幅と判明すれば相殺、下方への行き過ぎ許容

コーン米連邦準備制度理事会(FRB)副 議長は5日のフィラデルフィアでの講演で、米連邦公開市場委員会(FOM C)は景気減速とインフレ高進の両リスクを考慮し、「機敏に」に政策決定す る必要があるとの考えを明らかにした。

同副議長は「金融市場がどう展開するか分からないし、個人や企業が金融 市場の動向にどのように反応するかも分からない。そのため、成長を促進し、 物価を安定させるため機敏に政策を調整する必要がある」と語った。

追加利下げについてはまったく示唆せず、景気が「短期的な軟調局面」の 後、「緩やかな」成長軌道に戻ると予想。ここ2週間に追加利下げについて懐 疑的な考えを表明した4地区連銀総裁に歩調を合わせた。

コーン副議長はFOMCが9月18日の定例会合で0.5ポイントと大幅な 利下げに踏み切ったことについて、必要以上に大幅だったことが判明すれば、 「相殺できる」ため支持したと述べた。さらに、利下げが「小さ過ぎたり、遅 過ぎるよりも、大き過ぎたり、速過ぎる方」が経済には良いと主張した。

フェデラルファンド(FF)金利先物市場ではFOMCが10月30-31 日の定例会合で追加利下げを実施するとの見方が後退している。朝方発表の9 月の雇用統計で非農業部門雇用者数がエコノミスト予想を上回ったため、FF 金利先物が示唆する利下げ確率は50%を下回った。

「金利据え置き」

ノーザン・トラストのチーフエコノミスト、ポール・カスリエル氏はコー ン副議長の発言と雇用統計について「最近発表の経済指標を受け、FOMCは 政策金利を据え置くだろう」と指摘。経済については「崖から落ちるような兆 候は見られない」と述べた。

コーン副議長は利下げの完全な影響は「数四半期後」まで表れないと述べ た。さらに「深刻な打撃を受けた市場では改善の兆候がいくらか見られる」と したが、利下げで「景気軟化をすべて回避できるわけではなく、今後数カ月は 弱さが続く恐れがある」と話した。

信用市場の混乱については個人消費にしばらく悪影響を与えると警告。 「市場機能が改善しても、多くの借り手にとっては数カ月前ほど融資を受ける のは簡単でも安価でもなくなるだろう」と語った。

コーン副議長(64)はFRBボードメンバーの中で米連邦準備制度の経 験が最も長い。2002年に理事に就任するまではグリーンスパン前FRB議長 の顧問を務めていた。コーン氏は1970年にエコノミストとしてカンザスシテ ィー連銀に入行。75年からはFRBで勤務している。