米損保株に割安感-サブプライムへの投資大きいとの誤解を反映か

米国で事業を展開するトラベラーズやエース といた多くの損害保険会社について、投資家はこれらの企業が米国の信用力の 低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)関連の資産に大きな投資をして いるに違いないと考えてきた。

だが、格付け会社フィッチ・レーティングスによれば、サブプライム関連 資産は損保会社が抱える債券資産の約1%にすぎない。住宅市場低迷に伴い投 資で損失を負ったとの懸念から、損保株のバリュエーションは7-9月期、2000 年以来で最も割安な水準で取引された。

米株式市場の指標、S&P500種株価指数の業界別指数の1つ、損害保険指 数は7-9月期、6.2%下落した。サブプライム関連資産を組成する証券会社リ ーマン・ブラザーズ・ホールディングスやベアー・スターンズなどの株式で構 成するS&P500種金融指数の4.9%安を超える下落となった。ブルームバーグ のデータによれば、損保株の株価収益率(PER)は平均で約8倍と、1年前 の17倍に比べ、割安感が強まっている。

損保業界全体による投資の66%は、国債や地方債、社債などの債券と住宅 ローンに裏付けされた証券が対象だ。フィッチがまとめた全米保険監督官協会 (NAIC)のデータによれば、業界が保有する債券の約98%の格付けは少な くとも「BBB」、2%がそれ以下となっている。

KBWのアナリスト(ニューヨーク在勤)で、トラベラーとエースの株式 投資判断を「アウトパフォーム」としているクリフ・ギャラント氏は、損保会 社は引き受け業務の業績が非常に好調で、「高利回りを求めてリスクの高い資産 に手を伸ばしてはいない」と指摘する。

過去3カ月間の信用市場の混乱に伴い、住宅・自動車保険で米最大の上場 企業、オールステートが失った時価総額は、2005年に米本土を襲ったハリケー ン「カトリーナ」後の規模を上回るものとなった。今年7-9月期の下落率は 7%。4日の株価終値に基づく株価純資産倍率(PBR)は1.59倍で、過去10 年平均1.68倍を下回っている。

エースのPBRも1.4倍と、10年平均を5.7%下回る。トラベラーズの株 価は7-9月期、5.9%下落。4日時点のPBRは10年平均の1.42倍付近とな っているものの、PERは8.3倍と、10年平均を45%下回っている。