米地区連銀総裁の追加利下げ懐疑論、トレーダーの見方にも反映

米地区連銀総裁は追加利下げに懐疑的な見 解を相次いで表明しており、一部の投資家もこれに賛同している。

4日の金利先物取引市場では、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標 が今年2回引き下げられ4.25%になる可能性が48%織り込まれた水準となっ た。これは9月18日の利下げ以来最低。先週は0.25ポイントずつ2回の利下げ の確率は74%織り込まれていた。

市場のムードが変化したのは、セントルイス連銀のプール総裁やフィラデル フィア連銀のプロッサー総裁、アトランタ連銀のロックハート総裁、ダラス連銀 のフィッシャー総裁による過去10日間の発言で、信用市場の混乱が収束しつつ ある兆候が浮き彫りになってきたためだ。コマーシャルペーパー(CP)市場は 7週間にわたる低迷に歯止めが掛かり、製造業や非製造業の持続的拡大を示す調 査結果も発表され、金融メディアも地区連銀総裁の発言に同調している。

FAFアドバイザーズのチーフエコノミストで元ミネアポリス連銀エコノミ ストのキース・ヘンバー氏は、地区連銀総裁の発言を「大いに重要視している」 と述べ、「米金融当局は追加措置が必要だという証拠は明らかになっていないと 思う」と指摘。経済指標が「大幅」に悪化しなければ、連邦公開市場委員会(F OMC)は政策金利を据え置くだろうと語った。

フィッシャー総裁は4日、ノースカロライナ州シャーロットで講演後、「信 用市場は8月に比べて安定している」との認識を示し、「情勢は回復しつつあ る」と述べた。プール総裁は9月28日、「市場が利下げ継続を織り込むのは間 違っている」と発言。プロッサー総裁とフィッシャー総裁はともに、インフレ抑 制のための利上げの可能性さえ示唆している。

9月18日のFOMC前とは異なり、今回は地区連銀総裁の発言に対して他 の政策当局者から反論は出てきていない。ミシュキン米連邦準備制度理事会(F RB)理事は4日のフランクフルトでの講演で、先月行ったような個人 消費へ のリスクの高まりに関する詳述は控えた。コーンFRB副議長は5日に米経済に 関する講演を行う。

ただ、10月30、31の両日開催される次回FOMC以前に、政策当局者や投 資家の見方が変化する可能性も依然として残る。米労働省が5日発表する9月の 雇用統計で、非農業部門雇用者数が2カ月連続で予想外の前月比マイナスとなれ ば、追加利下げ観測に拍車が掛かるとみられる。

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