米メリル:元幹部ダウ・キム氏のヘッジファンドへの投資見送り-関係者

米証券会社メリルリンチは、元幹部のダウ・ キム氏(44)のヘッジファンドへの投資を見送ることを決めた。事情に詳しい 複数の関係者3人が4日までに明らかにした。

キム氏はメリルでトレーディングと投資銀行の共同責任者を務めていた。 メリルは信用市場の取引で損失を出し、キム氏が引き立てた債券部門責任者の オスマン・セメルシ氏を3日に更迭した。

キム氏は5月に、年内に退社しヘッジファンド「ダイヤモンド・レーク・ インベストメント・グループ」を設立する計画を明らかにしていた。その際に メリルのスタンレー・オニール最高経営責任者(CEO)は、メリルはキム氏 の「新会社との提携により、同氏の投資手腕の恩恵を受けるだろう」と語って いた。ところが今回、これに反してメリルはキム氏との関係を断つことを決め た。関係者は匿名を条件に、キム氏が5月まで責任者だった部門の住宅ローン や債券部門が損失を出しているためだと語った。

メリルは9月に「信用市場の状況は引き続き厳しい」として、一部保有資 産の評価損によって2007年7-9月(第3四半期)の利益が押し下げられる可 能性を示唆していた。ゴールドマン・サックス・グループのアナリスト、ウィ リアム・タノナ氏は先週、メリルが保有債券について最大40億ドル(約4700 億円)の評価損を計上し、2007年7-9月(第3四半期)利益は約6年ぶり低 水準となる可能性があると指摘した。

ダイヤモンド・レークの広報を担当するアバナシー・マクレガー・グルー プのショーン・パティソン氏はファンドの投資家についてはコメントできない と述べた。メリルの広報担当者ジェシカ・オッペンハイム氏もキム氏のファン ドとの関係についてコメントを避けた。

キム氏は年末まで、上級幹部へのアドバイザーとしてメリルにとどまる予 定だった。オッペンハイマー氏によると、メリルとキム氏の関係は今週、解消 された。パティソン氏は、キム氏は「5月以降メリルの日々の業務にはかかわ っていなかった」と述べた。

2003年から世界市場・投資銀行共同責任者だったキム氏は、セメルシ氏を 債券部門責任者に起用した。