債券相場は小幅高、株価上げ幅拡大で午後軟化-岩田副総裁講演に注目

債券相場は小幅高(利回りは小幅低下)。 前日の米国債相場上昇を引き継ぎ、堅調に始まったものの、午後は日経平均株価 が上げ幅を拡大したことに圧迫されて、値を消す展開となった。

三菱UFJ証券シニア債券ストラテジストの長谷川治美氏は、「きょうは特 にイベントもなく、株にらみで推移した」と述べた。

東京先物市場の中心限月12月物は、前日比11銭高い135円00銭で始まり、 午前9時半過ぎに135円11銭の日中高値をつけた。しかし、買い一巡後は伸び 悩んでおり、午後には一時マイナス圏となる134円87銭の日中安値をつけた。 結局、同1銭高の134円90銭で取引を終了した。

現物債市場で10月発行の新発10年物の288回債利回りは、前日比2ベーシ スポイント(bp)低下の1.675%で始まった。寄りが最低水準となり、その後は 徐々に利回りの低下幅を縮める展開で、午後2時過ぎには0.5bp低い1.69%を つけており、その後も1.69%で推移している。

日経平均は、午前には前日終値を挟んでもみ合いとなったが、午後に入って ジリ高に推移。前日比153円11銭高の1万7199円89銭で引けた。終値として は、今年7月31日(1万7248円89銭)以来の高値となった。

また、あす4日には岩田一政日銀副総裁の講演や欧州中央銀行(ECB)理 事会、5日に米雇用統計発表を控えて、様子見姿勢も強く、積極的な取引は手控 えられた。

岩田副総裁は、日銀政策委員の中で景気や金融政策に対してハト派とみられ ており、「ハト派の発言であれば中立要因。市場では、10月の日銀決定会合で の利上げは予想されていない」(長谷川氏)という。

一方、日興シティグループ証券チーフストラテジストの佐野一彦氏は、「タ カ派的な発言が出たら反応するかもしれない」と指摘。

佐野氏は、「日銀は利上げをしたいのだろう。仮に利上げをすれば、市場は クラッシュするのではないか。日銀の次回利上げは、来年4-6月ごろと予想し ている」との見方を示した。

長谷川氏によると、「市場予想では、ECB理事会では今回も利上げ見送り。 独Ifo景況感指数も悪化していたので、予想通りに見送りであれば影響はない。 仮にサプライズがあれば売りで反応する可能性がある」という。

あす物価連動債入札、一部で警戒感も

あすの10年物価連動国債入札に関しては、携帯通話料金の引き下げの消費 者物価指数(CPI)への影響が注目されており、一部では厳しいとの声も聞か れた。

日本経済新聞によると、KDDIが11月から携帯電話端末価格を引き上げ る代わりに通話料を3割引き下げるプランを導入するのに続き、NTTドコモも 年内に2-3割の追随値下げをすると報じられている。

新料金体系がCPIにどのように反映されるかは、総務省の対応次第で今の ところ不透明。

しかし、RBS証券債券ストラテジストのジョン・リチャーズ氏は、「投資 家は新料金プランが実施され、極めて早期にCPIに反映されると想定すべき。 つまり、あす実施される物価連動国債に応札する際には、最悪のシナリオを想定 すべき」と警戒感を示している。

(債券価格)                              前日比        利回り
長期国債先物12月物         134.90        +0.01         1.860%
売買高(億円)              39312
10年物288回債             100.08                  1.690(-0.005)
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