日本株(終了)日経平均は17000円回復、信用懸念後退-金融など高い

東京株式相場は上昇。信用収縮が最悪期 を越したとの見方から、みずほフィナンシャルグループなど銀行株が軒並み上 昇。証券株や不動産、円安傾向からソニーなど輸出関連株まで幅広く買われた。 投資家心理の改善を受けて東証業種別33指数は30業種が上昇、日経平均株価 は8月9日以来の終値での1万7000円台回復となった。

安田投信投資顧問の礒正樹株式運用部長は、「海外金融機関の決算で悪材 料出尽くし感がいったん広がり、ボラティリティ指数が低下するなど市場のセ ンチメントは正常化しつつある」と指摘した。日経平均は心理的節目とされる 1万7000円を回復した格好となったが、礒氏はサブプライムショックの始ま った1万7500円前後まで戻り相場は続く可能性がある、と見ている。

日経平均株価の終値は前日比200円82銭(1.2%)高の1万7046円78銭、 TOPIXは23.90ポイント(1.5%)高の1639.79。東証1部の売買高は概 算で20億2857万株、売買代金は同2兆5071億円。値上がり銘柄数は1313、 値下がり銘柄数は337。東証業種別33指数での騰落状況は、値上がり銘柄数 が30で、値下がりは石油・石炭製品、食料品、ゴム製品の3業種。TOPI Xへの寄与度が大きい業種は、銀行、電気機器、輸送用機器、その他製品、化 学、不動産、卸売、鉄鋼など。

信用収縮懸念和らぎ大台回復

株式市場が、正常化に向けての過程を歩みつつある。1日の海外市場では、 業績見通しを下方修正したスイスのUBSや米シティグループの株価が各市場 で上昇。グリーンスパンFRB議長も世界的な信用収縮の最悪期は終わった可 能性があると言及するなど、信用収縮に対する過度の懸念が和らいだ。株価の 予想変動率の指標であるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリ ティ指数(VIX指数)は8月中旬に30%超まで上昇していたものの、1日 は18%と7月25日以来の水準まで低下している。

一方、米供給管理協会(ISM)が1日に発表した9月の製造業景況指数 は52.0と市場予想を下回り、過去6カ月間で最低水準に鈍化した。しかし、 「緩やかな景気減速による米利下げ期待の高まりが株価を押し上げている」 (安田投信・礒氏)ことで、米ダウ工業株30種平均は最高値を更新した。

信用収縮懸念のいったんの後退と米利下げ期待が安心感につながり、香港 ハンセン指数も急伸となるなど2日のアジア株も2%以上上げる市場が多かっ た。大和投資信託の長野吉納シニアストラテジストによると、「金融不安は世 界的にほぼ解消に向かいつつあり、心理的要因から売られる前の水準まで各国 の株価が上昇している」という。

金融など内需関連買われる

相場上昇のリード役となったのは金融株を中心とする内需関連株。東証1 部業種別上昇率の上位には銀行、証券・商品先物取引、不動産などが占めた。 みずほフィナンシャルグループや三井住友フィナンシャルグループなど大手銀 行株がにぎわい、TOPIX銀行株指数は9月5日以来となる320ポイント台 を回復。株式相場の底入れムードによる売買代金回復期待から、野村ホールデ ィングスや大和証券グループ本社など証券株も高い。

9月の戻りでは市況関連株などが相場をリードしたのに対し、足元では金 融やディフェンシブなどこれまで投資家に敬遠されていた内需関連株にも買い が広がっている。こうした物色動向の変化は「買い戻しやバーゲンハンティン グで相場が通常の状態に戻る過程の表れ」(安田投信・礒氏)との声があった。

モルガン・スタンレー証券の神山直樹ストラテジストは2日付で、「ディ ープバリューの日本株」と題するストラテジーレポートを作成。同レポートに よると、日本株は全上場銘柄のPBR(株価純資産倍率)1倍割れ銘柄比率が 4割に達しており、海外市場と比べて安値に放置され、中でも「銀行はじめ内 需関連の割安さが顕著になっている」(神山氏)という。

テクニカル的に一服も

海外株高が支援材料となって日経平均は2カ月ぶりの終値水準となったも のの、1万7000円台では伸び悩み、売り圧力の強まりも意識された。大和投 資信託の長野氏によると、「日経平均1万7100円近辺では5週移動平均(1 万6383円)からのかい離率が過去1年間の経験則で上昇が鈍り始める4- 5%台に接近する」といい、テクニカル面から時価水準は戻りの勢いがいった ん一服しやすい水準でもあったようだ。

ソニーが活況、昭和電工や兼松高い

個別では、独半導体メーカーのキマンダとデジタル家電やゲーム機用のメ モリーを共同開発することで合意したソニーが売買を伴って大幅高。大和総研 が投資判断をアウトパフォームに引き上げた昭和電工、三菱UFJ証券が投資 判断を市場平均並みに引き上げたマンダムが上昇。9月月間で16万株の自社 株買いを実施したゼンリンは急騰した。中国の電力会社と温室効果ガス排出権 購入契約を締結した三菱重工業は反発。

このほか、株式売却により08年3月期の連結純利益が前期比2.1倍の見 通しとなった兼松、8月中間期の経常利益がこれまでの計画を上回ったもよう だと発表したフェリシモ、07年11月期の業績予想を上方修正した津田駒工業 はともに急伸。第2四半期の売上高が四半期ベースで過去最高を記録したディ スコは6連騰となった。9月中間決算シーズン本格化を前に、マーケットの業 績反応度の高さを裏付けた。

イマージュやGウィルが急落

半面、業績悪化で前日は値幅制限いっぱいのストップ安となっていたIH Iは続落して年初来安値を更新。8月中間期と08年2月通期の業績予想をと もに下方修正したイマージュホールディングスは東証1部値下がり率首位とな った。日本格付研究所が長期優先債務格付けを投資不適格に引き下げたグッド ウィル・グループは続急落し、08年3月期連結最終損益予想を10億円の赤字 (前期は9億5900万円の黒字)に下方修正した日本車輌製造、KBC証が投 資判断を売りに引き下げたキッコーマンもともに急落した。

新興市場も高い、マザーズ6連騰

新興市場もそろって高い。ジャスダック指数の終値は前日比0.7ポイント (1%)高の74.22と反発。東証マザーズ指数は20.81ポイント(2.8%)高 の756.29の6連騰となり、大証ヘラクレス指数は32.87ポイント(2.8%)高 の1215.69と5連騰。

ジャスダック市場ではエイチアイ、プロパスト、コシダカ、スパークス・ グループが上昇。ソニーの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビ発 売による設備投資需要拡大期待からトッキが急騰し、ニンテンドーDS用ゲー ムソフトを発売すると2日発表したAQインタラクティブも大幅高。半面、イ ンテリジェンス、日本一ソフトウェア、竹内製作所が下落した。

東証マザーズでは、サイバーエージェント、フルスピード、GCAホール ディングス、ACCESSが高い。携帯電話向けゲームに特化したゲームコン テンツの統合開発環境を共同で開発したアクロディアは値幅制限いっぱいのス トップ高。半面、アルデプロ、フリービット、アウンコンサルティングは安い。 日本アイ・ビー・エムから反訴されたと昼に発表のソースネクストは反落。

大証ヘラクレス市場では、ダヴィンチ・アドバイザーズやアセット・マネ ジャーズ、マネーパートナーズが売買代金上位で買われた。SD/SDIOコ ントローラがカナダ企業のシリコンドライブに採用されたと朝方発表したゼン テック・テクノロジー・ジャパンは大幅高で、アイレップと合弁会社設立で基 本合意したと朝方発表したD.A.コンソーシアムは5日続伸した。一方、ア イフリーク、ウェブドゥジャパン、ラ・パルレが売られた。

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