PIMCOなど大手債券投資家:信用市場の回復疑問視-再び環境悪化も

世界の大手債券投資家に関する限り、米連邦 準備制度は米信用市場への信頼回復に成功していない。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)や米教 職員保険年金連合会・大学退職株式基金(TIAA-CREF)、インサイト・ インベストメント・マネジメントなどは、9月の0.5ポイント利下げで景気減 速や企業のデフォルト(債務不履行)増に歯止めをかけることはできないとみ ている。リーマン・ブラザーズ・ホールディングスは、9月に上昇したジャン ク(高リスク・高利回り)債相場は年末までに再び失速する可能性があるとの 見方を示している。

社債投資に対する投資家のリスク意識の目安となるクレジット・デフォル トスワップ(CDS)の指数は低下し、信頼感回復を示唆しているものの、3 カ月物ドルLIBOR(ロンドン銀行間貸出金利)と3カ月物米財務省証券(T B)の利回り格差は1.33ポイントと、8月27日の1ポイントに比べ拡大し、 投資家の警戒感を示している。

PIMCOの執行副社長マーク・キーセル氏は「ファンダメンタルズ(経 済の基礎的諸条件)は改善していない。むしろ悪化している」と話す。債券調 査会社リード・サンバーグの10月1日付の調査によれば、合計運用資産1兆2500 億ドル(約144兆円)の機関投資家30のうち約75%は、「近い将来に」ヘッジ ファンド業界または信用市場に激震が走ると予想している。

市場に戻る口実見つからない

インサイトのシニア・クレジットアナリスト、アレックス・モス氏は「依然 として弱気だ」として、「この市場に戻る口実が見つからない」と述べた。

北米の投資適格級企業で構成するCDX北米投資適格指数のCDSスプレ ッドは9月21日に55.6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、7月 以来の低水準となった。CDSスプレッド低下は信用の質が改善したとの認識 を示唆する。ジャンク債のスプレッド(米国債との利回り格差)も9月10日の 4年ぶり高水準(479bp)から420bpまで縮小した。9月の米社債発行高は 1140億ドルと高水準。市場環境改善を受けて6-8月に見送られていた起債が 実現した。

しかし、TIAA-CREFで投資適格社債の運用に携わるリチャード・ チェン氏は、相場上昇は「ごく短命に終わるだろう」と予想している。