訂正:BNPパリバ島本氏:短観先行き不安示す-利上げは来年度以降

BNPパリバ証券の島本幸治チーフストラ テジストは1日午前、ブルームバーグ・テレビに出演して、日本銀行が同日発 表した9月調査の企業短期経済観測調査(短観)の分析や日米の金融政策の行 方、2007年度下期入りした債券相場の見通しなどに関して以下のように述べた。

日銀短観によると、業況判断指数(DI)は大企業・製造業がプラス23と 前回6月実績から横ばい。小幅悪化との事前予想を上回った。大企業・非製造 業はプラス20と前回実績から2ポイント悪化。中小企業・製造業はプラス1と 同5ポイント悪化。中小企業・非製造業はマイナス10と同3ポイント悪化した。

今回の短観の内容について:

「特徴は、ヘッドラインだけ見ると強かったが、中身はやや景気の先行き 不透明感を示した。今回の大企業・製造業DIは横ばいと予想外に良かった。 造船や中国特需の影響で若干かさ上げされているところがあり、先行きは慎重。 実際、中小企業のDIがかなり低下しており、この背景には原材料価格の上昇 があっても、最終価格に転嫁できない状況が、規模の小さいところに、より顕 著となっていることを示している。とりもなおさず最終需要の基調が弱くなっ ているので、景気の先行きという点にはやや不安感が出ている」

日銀金融政策に及ぼす影響について:

「短観の内容自体は、日銀の金融政策にとって中立ではないか。大企業の 業況感は意外と高かった。むしろ、今後の金融政策を考えるうえで、米国のサ ブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題の広がりとか、原材料価 格の上昇で、企業収益にどのような影響を与えるかなどのチェックが必要だ」

米国の金融政策の見通しについて:

「米金融政策の行方は、サブプライムショックがマインドにどういう影響 を及ぼすかがポイント。若干見方が難しい面があるものの、ダウンサイドリス クが広がっていると思う。米国の政策金利の中立水準をFFレートが4%をち ょっと超えた水準とみており、現行4.75%なので、景気の下振れリスクを抑え るためには、中立より下げる必要があり、3%台に下がっていく。これからの FOMC(米連邦公開市場委員会)で毎回0.25ベーシスポイント(bp)ずつ下げ ても、3%台まで下げるには来年度に入るので、日銀の年度内の利上げはかな り難しい。2008年度に入ってから利上げが始まるのではないか」

下期入り後の投資家動向や債券相場見通しについて

「景気の行方、インフレの行方、サブプライム問題の行方、政局の行方な ど、不透明感が台頭しているので、しばらく身動きは取れない。時間の経過と ともに日銀はそう簡単に利上げができないということが明らかになるので、資 金はまずは債券市場に流れ込んでいくとみている。金利がいまの水準からどん どん下がるというわけではないが、上がりにくい、あるいは横ばいで推移する うちに、短めの債券が特に堅調に推移していくのではないか」

「債券相場全体としては、日銀が動きにくいことがサポートされて、金利 も低位安定が続くと思うが、長めの債券は好需給が少し緩んでくるリスクがあ る。例えば、財政状況も、いままでは好調な税収の伸びにサポートされて改善 傾向が続いていたが、景気の踊り場を迎えることで、税収の勢いは止まってく るだろうし、今後想定される国会論戦では民主党の政治的影響力が強まること もあって、財政規律に対する不安感が出やすい。きょうから郵政民営化のプロ セスが始まったが、公的企業のあり方が変わることで、国債市場にも資金の流 れが変わってくるのではないかという不安感が出やすくなるので、長めの債券 は需給悪化で、上値が重くなってくるバランスになると思う」

--共同取材:竹内カンナ 吉川淳子    Editor:Kosaka(ygt)

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