スイスのUBS:7-9月は赤字、評価損で-1500人削減計画(3)

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資産規模で欧州最大の銀行、スイスのUB Sは1日、2007年7-9月(第3四半期)が赤字となったことを明らかにした。 また、1500人を削減する計画も示した。同社は住宅ローン担保証券の評価額を 約40億スイス・フラン(約3940億円)引き下げた。

発表によると、第3四半期の税引き前損失は6億-8億フランとなる。同 社はまた、投資銀行責任者のヒュー・ジェンキンス氏とクライブ・スタンディ ッシュ最高財務責任者(CFO)の退任も発表した。同社

UBSの債券トレーディング事業は再び打撃を受けた。同社は5月に、米 国のサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン担保証券投資で損失を 出したヘッジファンド部門のディロン・リード・キャピタル・マネジメントを 閉鎖した。1日に発表した約40億スイス・フランの評価損は大半が、ディロン・ リードが保有していたポジションによるものだった。ディロン・リードの閉鎖 後、取締役会は7月に最高経営責任者(CEO)だったピーター・ウフリ氏を 更迭していた。米国のライバル会社の一部は債券や融資債権で損失を被ったも のの、黒字を確保している。

パンク・ジーゲルのアナリスト、リチャード・ボーブ氏はUBSの発表前 に、「銀行が実際に損失を出したならば、それは重大な経営ミスがあったこと を示唆するものだ」として、トップ更迭の理由が分かったと述べていた。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト調査では、UBSの第3 四半期は26億フランの黒字と予想されていた。ニューヨーク在勤の広報担当者、 ロヒニ・プラガサム氏はコメントを控えた。赤字の見通しについては先に、米 紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が報じていた。

UBSのマルセル・ローナー最高経営責任者(CEO)は発表文で、「好調 だった1-6月(上期)の後で」、第3四半期の「赤字は非常に不満な結果だ」 と述べた上で、「これを受けて透明性確保に向けて断固たる措置を取るととも に、経営陣で適切な人事を行った」と述べた。

発表によると、ローナーCEOはジェンキンス氏に代わり、投資銀行部門 の会長兼CEOを兼務する。執行副会長のマルコ・スーター氏がCFOに就任 し、リスク管理責任者のウォルター・スタージンガー氏が最高業務責任者(C OO)となる。

UBSの債券部門は2005年以来、同業他社に後れを取っていた。同社は05 年に、同部門の従業員120人をヘッジファンド部門に移した。ヘッジファンド 部門が損失を出し閉鎖された後も、サブプライム問題が住宅ローン担保証券か ら債務担保証券(CDO)や高利回り社債、レバレッジド・バイアウト(LB O)向け融資などに広がるとの懸念から、市場は回復しなかった。

UBSの4-6月(第2四半期)の債券セールス・トレーディング事業の 収入は31%減少した。同社は今月30日に、第3四半期決算を発表する。同社は 8月に、市場の悪環境で投資銀行部門の「トレーディング収益は」年末まで「非 常に低調」となる可能性があると警告していた。

同業の米ゴールドマン・サックス・グループやモルガン・スタンレーは既 に、保有債券の一部の評価替えを終えている。ゴールドマンのアナリスト、ウ ィリアム・タノナ氏の先週のリポートによれば、10月に決算を発表するメリル リンチは債券で最大40億ドル(約4600億円)の評価損を計上し、四半期利益 は約6年で最低となると見込まれる。

既に6-8月(第3四半期)決算を発表した米ゴールドマンとモルガン・ スタンレー、リーマン・ブラザーズ・ホールディングス、ベアー・スターンズ の4社は、ゴールドマンを除き減益となったものの、赤字に転落したところは なかった。