米住宅価格、一部の都市で半値にも-エール大学シラー教授論文

米エール大学、ロバート・シラー教授の 論文によると、米住宅市場は低迷が続き、一部の都市では住宅価格が悪ければ 半値になる恐れがある。同論文はカンザスシティー連銀が主催するワイオミン グ州ジャクソンホールでの年次シンポジウムで発表された。

シラー教授は「過去の住宅サイクルの例から言うと実質住宅価格は大幅に 下落する恐れがある。さほど遠くない将来に下落率は一部で50%にさえ達する 可能性が十分にある」と論じている。

マクロマーケッツの共同創設者でチーフエコノミストでもあるシラー教授 は過去の住宅ブームと比べた場合、今回の方が価格上昇率が高く、広範にわた っているため、住宅価格が大幅に下落するリスクが高いと記述している。

シンポジウムでの講演では「今回のブームとその後数年にわたる反転は経 済政策担当者に深刻な問題を投げかけている」と述べた。

シラー教授によると、インフレ調整後の米住宅価格は1996年末から今回 の住宅ブームのピークである2006年初めにかけて86%上昇した。家賃や建設 コストなどほかの経済要因からこの価格上昇は説明がつかず、「投機的な思 考」と「ブームの心理」が作用し、90年代後半からの過度な値上がり期待がバ ブルを膨らませたいう。

しかし、同教授は住宅価格の下落が近く反転する可能性もあるとみる。 2005年にロンドンの不動産価格が回復したことを挙げながら、投機的な市場 は「本質的に予測不可能だ」とも述べた。

住宅価格が需要に沿う水準にまで下落すれば、過剰在庫が減少し、住宅市 場が改善するとの見方が一部エコノミストの間である。全米不動産業者協会 (NAR)のシニアエコノミスト、ローレンス・ユン氏は7月に北東部で中古 住宅販売が伸び、価格が上昇したことについて、回復の予兆であるかもしれな いとみている。

ただ、シラー教授はブーム期に大幅な上昇を経験した都市で長期的な低迷 があると考えるのに「無理はない」と主張。「90年代にあった前回の住宅低迷 期には全米レベルの住宅価格がインフレ調整済みで15%超下落したが、今回は ブームの対象になった都市の数は格段に多いためだ」と説明した。