日本株は急伸、円安で輸出中心に上昇-米住宅問題対策発表も好感(3

月末と週末を同時に迎えた東京株式相場は 大幅続伸。日経平均株価は400円以上上げて、8月14日以来約3週間ぶりに1 万6500円を回復した。ブッシュ米大統領が31日にサブプライム(信用力の低 い個人向け)ローンを抱えた住宅購入者向けの対策の概要を発表すると伝わり、 信用収縮懸念が後退。為替相場の円高進行も止まり、トヨタ自動車やソニーと いった輸出株が上昇。世界的に金融株から逃避していた資金が戻ってくるとの 見方から、三菱UFJフィナンシャル・グループなど銀行株も買われた。

日経平均株価終値は前日比415円27銭(2.6%)高の1万6569円9銭。T OPIXは同40.02ポイント(2.6%)高の1608.25と、こちらも14日以来の1600 ポイント回復。東証1部の売買高は概算で18億4006万株。値上がり銘柄数は 1559、値下がりは99。東証1部業種別33指数はすべてが上昇した。

トヨタアセットマネジメント投資戦略部の浜崎優シニアストラテジストは 「円安傾向などをきっかけに、円高局面で売り込まれていた業種が切り返した」 と指摘。米大統領によるサブプライム問題対策の概要発表に関しては、「いず れ出ると思っていた。不安心理が高まるなかでは政府が出てくるしかなく、確 かに好材料だ」と評価していた。

前日比で100円以上高く始まった日経平均は午後にさらに上げ幅を拡大し、 この日の高値引け。27日に付けた急落後の戻り高値(1万6504円)を上抜ける とともに、投資家の中期的な平均売買コストである25日移動平均線(1万6526 円)を7月20日以来、約1カ月半ぶりに上回った。

円安進行が投資家心理を改善させた。ドル・円相場は一時1ドル=116円 38銭を付け、前日のニューヨーク時間遅くの115円86銭から円安に振れた。29 日には113円87銭まで円高が進んでいた。多くの主要企業は今期(08年3月期) の想定為替レートを1ドル=115円に設定しているため、これ以上の円安水準で あれば業績のプレミアム期待が高まりやすい。

為替相場が落ち着いた背景に信用不安の後退がある。午後に米ブッシュ大 統領がサブプライムローンの借り手が債務不履行に陥るのを避けるための対策 を31日に発表すると伝わると、シカゴ24時間電子取引システム(GLOBE X)のS&P500種先物が一時基準比16ポイント以上の大幅上昇となり、「為 替の円安基調につながった」(いちよし投資顧問の秋野充成運用部長)という。

8月売買最終日を迎え、機関投資家からのドレッシング(お化粧)買いが 期待されるなか、「売りが手控えられており、先物主導で上昇しやかった」(い ちよし投資顧問の秋野氏)面もあった。日経平均先物9月物の出来高は10万9632 枚と、活況といわれる10万枚を3日連続で超えた。

外部環境の好転期待に加え、国内景気の底堅さも相場を支えた。取引開始 前に発表された7月の鉱工業生産指数は、新潟県中越沖地震の影響から、前月 比0.4%低下となったが、8月の製造業生産予測指数は同6.8%上昇した。三井 住友アセットマネジメントのバランスファンド運用グループの武藤弘明シニア エコノミストは、「7-9月の生産回復基調は間違いなさそうだ。金融市場の 混乱はさておき、ファンダメンタルズとしての景気循環は既に上向きだ」とコ メントした。

富士通や古河電工が大幅高

相場が上昇傾向となるなか、好材料が出た個別銘柄が軒並み上昇した。D RAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)特許侵害裁判 で勝訴した富士通、リーマン・ブラザーズ証券が31日に投資判断を「イコール ウエイト」から「オーバーウエイト」に引き上げたミネベア、9月27日までに 1000万株を上限に自社株買いを実施すると発表した古河電気工業が大幅高。

このほか、来春をめどに段ボール原紙の生産を日本製紙グループ本社と事 実上統合すると31日付の日経新聞朝刊で報じられたレンゴーが急騰。KBC証 券が投資判断を新規「ポジティブ」にした日本合成化学工業や、31日付の日経 新聞朝刊で三洋電機の携帯電話販売事業を買収する見通しと報じられたテレパ ークも買われた。

半面、民事再生手続き申請中のラーメン一番本部を支援すると発表した吉 野家ディー・アンド・シーのほか、イオンやコジマ、ニトリなど小売株の一角 が安かった。

新興3市場も軒並み高

新興3市場も上昇。午前中はマイナス圏に沈む場面が見られたが、午後か ら東証1部市場が大幅高となると、連動する形で上げ幅を拡大した。ジャスダ ック指数が前日比0.7%高の74.30、東証マザーズ指数は同1.9%高の729.66、大 証ヘラクレス指数は同0.9%高の1191.55。

ジャスダック市場では、欧州でミニショベルが伸びていることなどから、 今期(08年2月期)業績予想を上方修正した竹内製作所や、都内新宿区の市谷 オフィスを110億円程度で売却する方針と発表したインテリジェンスが大幅高。 半面、投資有価証券評価損の計上で07年6月中間期の最終赤字幅が拡大したジ ャレコ・ホールディングが上場来安値を更新した。

東証マザーズ市場では、コスト削減効果などにより前期(07年7月期)の 連結経常損益が一転して黒字になったもようと29日に発表した綜合臨床ホール ディングスが前日最終気配値比で一時ストップ高(制限値幅いっぱいの上昇) を付けた。ただ終値は前日気配値と同じだった。リミックスポイントやサイバ ーエージェントが大幅高。一方、監査意見不表明で30日に監理ポストに割り当 てられたフレームワークスが連日のストップ安となった。

大証ヘラクレス市場では、株式数5000株、取得価額2億円を上限に自己株 式を取得すると発表したSBIベリトランスがストップ高。半面、投資先企業 の上場延期で株式売却収入がなくなり、通期(08年3月期)業績予想を下方修 正したTFPコンサルティンググループがストップ安。

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