7月鉱工業生産指数は前月比0.4%低下-中越沖地震の影響出る(2)

7月の日本の鉱工業生産指数は、中旬に発 生した新潟県中越沖地震の影響を受けてトヨタやホンダなどの自動車各社や関 連部品メーカーの生産などが一時停止に追い込まれたことが響き、2カ月ぶり に低下した。

経済産業省が31日発表した鉱工業生産動向速報によると、7月の鉱工業生 産指数は前月比0.4%低下し、108.1(季節調整済み、2000年=100)となった。 輸送機器が7.3%低下したほか、化学工業も1.8%低下した。これに対し、注目 の電子部品・デバイスが4.7%上昇、情報通信機器も6.2%上昇した。ブルーム バーグ・ニュースがエコノミスト44人を対象に調査したところでは、鉱工業生 産指数の予想中央値は前月比0.3%の低下だった。

7月の鉱工業生産は落ち込んだものの、このまま下落基調に陥るとの見方 は少ない。日本の最大の輸出先である米国は依然景気のソフトランディング(軟 着陸)が期待されているうえ、米国以外の地域向け輸出が堅調を維持している ことが要因だ。福井俊彦日銀総裁は23日の会見で、生産について「私どもは、 生産が再び増加に転じることは間違いないとみている」と言明。「在庫も電子部 品・デバイスなど一部を除けば、おおむね出荷とバランスの取れた状態にある」 などと指摘した。

第一生命経済研究所の新家義貴主任エコノミストは発表前に、「仮にヘッド ラインの数字がコンセンサスから下振れた場合でも、必ずしもそのことを問題 視する必要はない」としたうえで、「8月以降には反動増が発生するため、ある 程度の期間をとってならしてみれば、地震がマクロの生産へ与える影響は大き なものにならないだろう」と述べていた。

統計発表後のドル円相場は午前9時10分現在、1ドル=115円97銭前後で、 発表直前の同116円04銭から円が強含みで推移。日経平均株価は前日比159円 28銭高の1万6313円10銭となっている 。

自動車除く生産動向とサブプライムの影響

新家氏は「より重要な点は、自動車関連を除いたベースで生産の持ち直し が確認できるかどうかだ。地震の影響を除けば強いということであれば、むし ろポジティブに評価される可能性が高いだろう」と指摘した。

同時に、8月以降、米国のサブプライム(信用の低い個人向け)住宅ロー ン問題をきっかけとした金融市場の混乱が米国経済に悪影響を与える結果、「国 内生産にも下押し圧力がかかってくる可能性があるとの指摘は当然出てくると 思われ、手放しで評価するというわけにはいかないだろう」との見方も併せて 示した。

この問題については日銀の水野温氏審議委員が30日に行った講演で、「日 本経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)を揺るがすような問題に発展す る可能性は低い」と楽観的な見方を示している。

製造業生産予測

前月に発表された鉱工業生産の先行きを示す7月の製造工業生産予測指数 は、前月比1.8%上昇が見込まれていた。同指数は毎月10日にまとめられてい るため、7月16日に発生した新潟県中越沖地震による自動車各社などの生産停 止はこれには入っていない。

同省が発表した8月の製造業生産予測指数は前月比6.8%上昇、9月は同

2.5%低下が見込まれている。同省は、総じてみれば生産は横ばい傾向で推移に あると、判断を据え置いた。