7月家計支出7カ月ぶり減少、天候不順など影響-失業率やや改善(4)

7月の一世帯当たりの実質消費支出は前 年比0.1%減と7カ月ぶりに減少した。天候不順や自然災害の発生によって夏物 商材の動きが鈍かったほか、ガソリン価格の上昇や住民税増税も消費マインド に悪影響を及ぼした。雇用では完全失業率が3.6%とやや改善した。

総務省が31日発表した家計調査によると実質消費支出は29万1632円で、 前月比(季節調整済み)では1.2%減少となった。事前の民間エコノミスト30 人を対象にしたブルームバーグ調査では、前年比の実質消費支出の予想中央値 は0.2%増だった。

第一生命経済研究所の長谷山則昭・副主任エコノミストは指標発表後にブ ルームバーグ・ニュースのインタビューで、「7月は天候要因など悪い材料が多 かったので、ある程度下に振れると予想していた」とした上で、8月に関して は「ガソリン価格上昇とか株価下落など下押し要因も残るので、それほど強気 にはみていないが、7月よりは持ち直す」との見通しを示した。

一方、労働力調査では、失業率は前月比で3.6%と6月(3.7%)からやや改 善し、今年4月以降4カ月連続で3%台を維持。ブルームバーグ調査では、44 人の民間エコノミストが3.7%(中央予想値)を予測していた。厚生労働省が発 表した7月の有効求人倍率(1人当たりの求人の割合、季節調整値)は1.07倍 と横ばいとなった。予想値も1.07倍。正社員有効求人倍率は0.59倍(前の月 は0.57倍)で雇用好調を裏付けた。

消費の本格回復へ「一歩手前」

マーケットは全般に反応薄。新光証券債券ストラテジストの三浦哲也氏は同 日朝ブルームバーグテレビに出演し、「失業率は一歩前進で、本来なら債券の売り 材料という評価があってもいいが、足元は景気循環よりも海外の金融政策動向に 焦点が当たっている」とコメントした。

雇用のひっ迫感が指摘される一方で、その恩恵が家計には十分波及していな い。厚生労働省が7月末発表した6月の毎月勤労統計調査(速報値)では、同月 の1人当たりの現金給与総額は前年同月比で7カ月連続の減少。さらに、足元の 消費動向でも弱い指標が続いている。7月の景気ウォッチャー調査による景気の 現状判断は4カ月連続で悪化し、消費者態度指数も前月比で3カ月連続低下。経 済産業省が30日発表した小売業販売額も2.2%減と2カ月連続のマイナスとなっ た。

第一生命経済研の長谷山氏は「雇用・所得環境の改善は非常に緩やかなペー ス。高い伸びを示しているわけではないため、それほど家計・消費の足腰もしっ かりしたものになっていない」と説明。「雇用に賃金を含めた回復がみえてこない と、実感を伴う消費の回復にはならない。今は一歩手前というところ」と述べた。

大田弘子経済財政政策担当相は31日午前の閣議後会見で、7月の実質消費支 出が7カ月ぶりに減少したことについて、天候不順や夏物セールの前倒し、ガソ リン価格の上昇など特殊要因の影響を挙げたうえで、「マイナスではあるが、それ ほど心配する状況ではない」との認識を示した。

同相は、3.6%とやや改善した7月の完全失業率に関しては「内訳を見れば、 前月に比べて失業者が8万人減ったが、就業者も18万人減っている。状況は先月 と変わっていない」と説明。7月の有効求人倍率も横ばいの1.07倍となったこと から「雇用情勢は比較的堅調に推移している」と述べた。

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