日中防衛相:艦艇相互訪問で合意-安倍首相、軍事分野の透明性を(3)

高村正彦防衛相は30日午前、来日した中 国の曹剛川国防相と東京都新宿区市谷の防衛省で会談し、海上自衛隊と中国海 軍の艦艇を相互訪問させることで合意した。曹国防相は2007年11月か12月 に中国海軍の日本訪問を実施すると表明するとともに、08年の日本の海自艦艇 の訪中を招請した。

両防衛相は両国の軍事ホットライン開設でも一致し、作業部会を設置する ことを申し合わせた。いずれも防衛省防衛政策局の廣瀬行成国際企画課長が防 衛省で記者説明した。

安倍晋三首相は同日午後、首相官邸で曹国防相の表敬を受けた。首相は 「軍事分野に関する透明性を高めることによって相互の信頼関係も高まり、中 国がより責任ある行動をとり、アジアにおいて重要な役割を果たすことができ るようになる」と求めた。

これに対して曹国防相は、①9月に中国・瀋陽で行われる実弾演習に日本 からのオブザーバー1、2人の派遣を招請したい②中国の軍事力を実際に目で 見て確認して欲しい-と答えた。日本外務省が同日夜、安倍首相と国防相の発 言内容を明記した資料を公表した。

曹国防相は同日午後、町村信孝外相と霞ヶ関の外務省で会談。町村外相が 同日夜、記者団に明らかにしたところによると、町村氏は会談で、「防衛交流 は、互いの装備や訓練を理解しあう意味でよいことだ。とかく批判がある急速 に膨張する中国の軍事費の透明性が高まる一助になるということで歓迎する。 さらに透明性を高める努力をしてほしい」と対応を求めた。

また町村氏は「弾道ミサイルで衛星を落とす実験をしたが、日本では大変 懸念する声がある」とも伝えた。それに対して、曹国防相は何も発言しなかっ たという。

防衛省の廣瀬氏によると、曹国防相は高村防衛相との会談で、台湾の独立 を認めない姿勢を示し、高村防衛相も、日本の立場は一貫しており日中共同声 明にある通り、日台関係は非政府的な実務関係として維持する、と伝えた。

両国が1972年9月29日に交わした日中共同声明には「中国政府は、台湾 が中国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」と明記。「日本政 府は中国政府の立場を十分理解し尊重」との文言が盛り込まれている。

高村防衛相は、拡大を続ける中国の軍事力と軍事費増加に関する透明性の 必要性に言及。曹国防相は過去約20年間の状況を説明したという。

また高村防衛相は、2004年11月10日の中国の原子力潜水艦の日本の領海 侵犯、07年1月の中国の弾道ミサイルによる時刻の人工衛星破壊実験について も言及したが、国防相からの発言はなかったという。

曹国防相は高村防衛相の中国訪問を招請。防衛相は08年以降の訪中を検 討すると応じ、日中の防衛交流を加速させることを確認した。

中国国防相の来日は1998年2月の遅浩田氏以来、9年半ぶり。日中防衛 相会談は2003年9月の北京での開催以来4年ぶり。

国防相の来日は、安倍首相と温家宝首相が07年4月の会談で、「日中戦略 的互恵関係」の構築への一環として合意していた。