任天堂:「Wii」の優位保てるか、正念場迎える-ソニーなどが猛追

任天堂は家庭用ゲーム機の最新機種「Wi i」の好調を理由に、今年度も過去最高益との見通しを示している。しかし、 ソニーと米マイクロソフトがゲーム機の値下げや親しみやすいゲームの品ぞろ えで猛追していることを考えると、同社株は下落する可能性がある。

英パリ・インターナショナルのアナリスト、ペラム・スミザーズ氏は7月 に、競争激化を理由に任天堂株の売りを勧めた。売りを勧めるのはブルームバ ーグ・ニュースが調査対象としているアナリスト20人の中で2人目。任天堂株 は7月に6万1800円と上場来高値を更新した。現在は年初来68%上昇となって いる。

任天堂のWiiは「Wiiスポーツ」や「スーパーマリオブラザーズ」な どのタイトルの人気をてこに、ソニーの「プレイステーション3(PS3)」や マイクロソフトの「Xbox360」を上回る売れ行きとなっている。しかし、競 合機は高速処理能力とより複雑なゲームや精密な画像が可能なシステムを武器 に、値下げと新タイトル投入で盛り返しを図る。

スミザーズ氏は「今年のクリスマスはWiiの勝利だろう」が、「現在より はリードが狭まるだろう。来年はさらに接戦になるだろう」と話した。同氏は 向こう1年の任天堂の目標株価を5万円としている。

JPモルガン・チェースの東京在勤アナリスト、前田栄二氏によれば、W iiと対応ゲームの売り上げは任天堂の2007年4月通期の総利益の約20%を占 めた。同氏はこの割合が今年度は37%まで上昇するとみている。前田氏は任天 堂株の判断を「オーバーウエート」とし、他の12人のアナリストとともに同社 株の買いを推奨している。

任天堂は1889年に、カード遊び用具のメーカーとして誕生した。現在は世 界最大の携帯型ゲーム機メーカーとなっている。約3年前に投入した携帯型の 「ニンテンドーDS」はペンシル型の入力装置を使い、頭脳活性化ソフト「脳 を鍛える大人のDSトレーニング」や料理・献立集、外国語学習ソフトなどで ユーザー層を成人にも拡大している。

ソフトも健闘

米市場調査会社NPDグループによると、今年1-6月は米国の人気ソフ ト上位10本のうち6本が、任天堂製のDSかWii対応ゲームだった。任天堂 アメリカのマーケティング責任者ジョージ・ハリソン氏は「ゲームの面白さを 重視し、機能重視の技術競争に巻き込まれないようにしたい」と語った。

年初来の大幅上昇で、任天堂株の上昇余地は限られそうだ。株価は7月26 日の水準から16%下落し、29日は5万2000円で終了した。三菱UFJ証券の アナリスト、村上宏俊氏は、円高が海外事業への打撃となる可能性があるとし て、同社株の判断を「アンダーパフォーム」としている。同氏は株価の割高感 も指摘した。任天堂株の予想PER(株価収益率)は26倍と、TOPIX構成 銘柄の平均の17.5倍を上回る。

優位を維持するために任天堂は、体感型のコントローラーにひかれてWi iを購入した顧客の関心をつなぎ留めることが必要だと村上氏は指摘する。同 氏は「Wiiスポーツ」のようなゲームは飽きられやすいとして、任天堂が売 れるゲームを作り続けられるかどうかはまだ分からないと述べた。

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