サブプライム問題、PE投資ファンドにも影響か-リターン低下の懸念

プライベートエクイティ(PE、未公開株) 投資会社の米へルマン・アンド・フリードマンの「キャピタル・パートナーズ Ⅳファンド」は2000年以降の投資家向けリターン(投資収益率)がプラス36% だ。同業の米コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)の「ミレニアム・ ファンド」は02年以来、プラス41%のリターンとなっている。

PE投資各社はこれまでの2年間、割安な債務を活用し、過去最大級の買 収を手掛けてきた。だが今や、米国のサブプライム(信用力の低い個人向け) 住宅ローン問題が信用市場を揺るがし、企業の買い手はもはや低コストの融資 を調達できなくなっている。

米資産家ウィルバー・ロス氏は、こうした背景が企業の売却価格を下げ、 企業買収ファンドのリターンを低下させることになると指摘する。

同氏は、「投資した企業を売り出す時期は、金利環境が大きく変わっている 可能性が大きい。リターンへの影響も大きくなる公算大だ」と述べる。同氏率 いるWLロスはニューヨークに本社を置き、自動車の部品メーカーなど経営に 問題を抱える企業の債務を中心に投資している。

ダートマス大学タック・ビジネス・スクールのセンター・フォー・プライ ベート・エクイティ・アンド・アントレプルナーシップのディレクター、コリ ン・ブレードン氏は、深刻の程度さは米経済がさらに軟化するかどうか次第だ と話す。ブルームバーグ・ニュースが1-8日に実施したエコノミスト調査に よれば、今年7-12月期の米経済成長率は2.6%に低下する見込み。

同氏は、景気低迷が企業の債務返済能力を低め、投資ファンドのリターン を今後3年間は年率10%に押し下げる可能性が高いと予想する。「どれくらい厳 しいものになるかが問題」なのだという。

ただ、へルマン・アンド・フリードマンを1984年に設立した共同創業者の 1人、ウォーレン・ヘルマン氏は、PEファンドが米株式市場の指標であるS &P500種株価指数の上昇率を数ポイント上回っている限りは、投資家がPEフ ァンドを回避することはないと説明する。

米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース) のウェブサイトによれば、カルパースが01年に行ったPE投資は06年末まで のリターンがプラス17%。S&P500種のこの間のリターンはおよそ15%だ。 「リターンは相対的なものだ」とヘルマン氏は話している。