与謝野氏:11年度までの基礎的財政収支黒字化、達成できるか確認(2)

与謝野馨新官房長官は27日午後の記者会見 で、安倍晋三内閣の財政政策は小泉内閣が策定した歳出・歳入一体改革を踏襲 していると指摘したうえで、2011年度までに国・地方を合わせた基礎的財政収 支(プライマリーバランス)を黒字化するとの政府目標が達成できるかどうか について、成長率の予測などを確認していく必要があるとの認識を明らかにし た。

与謝野氏は安倍内閣が6月に策定した骨太の方針07について、「路線は変 わっていないが、2011年度に基礎的財政収支が達成できるかどうか色々な前提 を考えながら確認をしていく必要ある。成長率予測は5年という長いスパンの ものなので、その都度、若干の手直しは必要だ」と述べた。また、「財政再建に 対する路線は小泉内閣の最後の段階で決定したものと何ら異なるものではない。 そのレールの上を安倍内閣は走っているものと思っている」と語った。

08年3月に期限を迎える日本銀行の福井俊彦総裁の後任人事をめぐって、 有力候補とされる武藤敏郎副総裁昇格の是非について、「人事の問題についてこ の席で申し上げるわけにはいかない。いずれにしても国会承認人事というもの はかなり色々なことに配慮しながら、考えを及ぼさなければならない」と述べ るにとどめた。

政府が秋以降に着手する予定の税制の抜本改革について、「社会保障制度を 維持していくためにはどうしなければならないのかという問題がある。消費税 だけでなく法人税、所得税その他の税制を含めて抜本的な議論を展開していた だきたい」と語った。

支持率回復にマジックはない

与謝野氏は安倍内閣の支持率が低迷していることについて「内閣支持率を いっぺんに回復するようなマジックはないと思っている。仕事を進めながら説 明責任を果たしていく。このような地道な努力によって初めて国民の支持率が 上昇するものと思っている。地味だが着実に仕事を進めることが大事だ」と強 調した。

与謝野氏は昨年秋にがんの手術を受けていたことを月刊誌「文芸春秋」7 月号で自ら公表している。就任に当たっての記者会見では自身の健康が官房長 官の激務に耐えられるかどうか聞かれたものの、「69歳だから加齢によって相当、 体の部品が痛んでいると思っているが、耐えられるものと確信している」と述 べた。

みずほ証券の飯塚尚己シニアエコノミストは与謝野氏の官房長官起用につ いて「ベテランを起用して手堅い人事をしているのではないか。党との調整は 官房長官が十分役割を果たしてこなかったとも言われているので、調整の達人 の与謝野さんを持ってきたのだろう」と強調した。今後の経済政策の方向性に ついては「参院選で地方との格差の問題が政治的に無視できない問題となった。 小さな政府の方向性から、少し増税もやり、歳出もする方向になるかもしれな い」との見方を示した。