米国債(24日):3カ月TB利回り31bp上昇-安全への逃避が反転(2)

米国債市場では3カ月短期証券(TB) 利回りが4営業日連続で上昇。安全への逃避としての短期国債需要が減少した。 一方、資産担保コマーシャルペーパー(ABCP)の利回りは低下した。

今週初め、投資家の間で一部の借り手はローン返済能力に問題があるとの 見方が広がり、マネー・マーケット・ファンド(MMF)が投資先をABCP から3カ月TBへ乗り換えた。米ニューヨーク連銀は24日、ローン担保とし て「投資適格級」のABCPを受け入れる方針をあらためて表明した。

ドイツ銀行のシニア投資ストラテジスト、ジェラルド・ルーカス氏(ニュ ーヨーク在勤)は、「流動性が短期債市場に戻っている。市場はやや落ち着き を取り戻し、プライシングもより適切になっている」と語った。

キャンター・フィッツジェラルドによると、ニューヨーク時間午後4時26 分現在、3カ月TB利回りは31ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイン ト)上昇して4.22%。MMFからの乗り換えが殺到した20日には、2005年2 月以来最低の2.505%まで低下していた。

2年債は下落。利回りは前日比2bp上昇して4.29%。2年債価格(表面 利率4.625%、償還期限2009年7月)は1/8未満値下がりして100 19/32。

信用リスクの指標とされている3カ月TB利回りとLIBOR(ロンドン 銀行間取引金利)との利回り格差であるTEDスプレッドは4日連続で縮小。 この日は0.33%ポイント縮小して約1.28%ポイントとなった。8月20日には 1987年の株暴落時以来の最大に広がっていた。この日の3カ月物LIBORは

5.51%だった。

住宅販売と耐久財受注

米商務省が発表した7月の米新築一戸建て住宅販売(季節調整済み、年 率)は前月比2.8%増の年率換算87万戸となった。ブルームバーグ・ニュース が実施したエコノミスト予想は平均82万戸への減少だった。

7月の米製造業耐久財受注額は前月比5.9%増加と、6月の1.9%増から 伸びが加速し、ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想中央値 (1%増)も上回った。

パイオニア・インベストメント・マネジメント(ボストン)の債券運用担 当者、リチャード・シュランジャー氏は、「耐久財統計と新築住宅販売統計を 踏まえ、市場参加者は米景気減速予想に疑問を持ち始めている」と述べ、連邦 公開市場委員会(FOMC)は「金融緩和策を講じない」との見方を示した。

利下げ見通し

金利先物市場動向によると、市場ではFOMCが9月18日までにフェデ ラルファンド(FF)金利誘導目標を0.5ポイント引き下げて4.75%に設定す るとの観測が後退した。5%への利下げ確率は58%と、1週間前の40%から 上昇。一方、4.75%への利下げを見込んでいる確率は42%と、先週の60%か ら低下した。

米国債を保有する金融機関にとり、翌日物借り入れ金利はFF金利の誘導 目標に近づいており、安全な担保としての米国債の需要が低下していることが 示唆された。

銀行間取引ブローカー、ICAPのGovPX部門によると、借り手が担 保となる銘柄を指定しないGC取引でのレートは4.75%と前日の3.25%から 上昇した。同レートは8月15日以降、5%を下回っている。

この日の10年債は上昇。利回りは3bp低下して4.62%。