伊勢丹と三越株がもみ合い、統合発表で視点は次へ-収益改善どうなる

百貨店大手の三越と伊勢丹の株価がもみ合 い。両社は23日、来年4月1日付で持ち株会社「三越伊勢丹ホールディング ス」を設立し、経営統合すると正式に発表したが、市場の期待する統合効果や抜 本的な収益改善シナリオが示されなかったことから、様子見が強い。

伊勢丹と三越株はともに朝方は小幅高で始まったが、その後下げに転じ、午 前9時53分現在、伊勢丹は前日比27円(1.6%)安の1660円。三越は同4円 (0.7%)安の553円と小幅安となっている。

ウォッチャーの声に厳しさ

小売業界に詳しいプリモ・リサーチ・ジャパン代表の鈴木孝之シニアアナリ ストは、「三越にとっては明らかにいい話だが、今回の統合計画は想定の範囲内 で、特段サプライズはない」といい、「伊勢丹にとっても三越というお荷物を背 負うことになり、ネガティブに受け止められる」(同氏)との見方を示した。

フィッチ・レーティングスの青山悟ダイレクターは、「収益改善への抜本的 なビジネスモデルの転換が見えてこない。統合という入り口の評価はもうすでに 済んでいる」と指摘。「統合して三越に伊勢丹流を導入するというが、伊勢丹流 を学びたいのであれば、今までもコンサルタントなどを使って学べたはず。統合 でよりスピーディにドラスティックにやろうとしたいという気持ちは分かるが、 統合しないと学べないのは、三越にそれほど抵抗があったのかとさえ勘ぐってし まう」と述べている。

営業利益率は業界大手で最低に

統合後の営業利益率などが、業界大手で最低水準になることもマイナスだ。 現在の営業利益率は伊勢丹4.1%、三越1.6%で、統合後は2.8%と三越が足を 引っ張る形からのスタート。一方、現在最大手の高島屋は3.2%、大丸と松坂屋 ホールディングスの統合で9月に発足するJ.フロントリテイリングは3.5%、 西武百貨店とそごうを傘下にもつミレニアムリテイリングは3.6%。

伊勢丹の武藤信一社長は、「2013年3月期に営業利益率5%を目指した い」と23日の会見で語ったが、2.8%からの引き上げはハードルが高い上、プリ モの鈴木氏は「5%は百貨店業界では国際標準レベルで当然、達成しなければな らない数字」と言い、厳しい見方を示す。

両社は今後、武藤社長を委員長、三越の石塚邦雄社長を副委員長とする経営 統合委員会を設立。委員会では、10年度に増床・改装予定の三越銀座店などの 再開発、情報システム統合など5つの分科会を置き、経営統合の具体策を詰める。

三越の石塚社長は、「統合効果はむこう5-6年を見据えて段階的に高めて いく」とし、統合後2年間で人材交流や仕入れ機能の統合に着手。その後の2年 で商品部やシステムの統合などの作業を進める。さらにその後はカード事業も統 合もする。

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