スカイマーク:中間期の売上高38%増-18年までに倍増の20機体制(2)

新規参入の国内線航空会社、スカイマー クは2007年9月中間期の売上高について、前年同期比で約38%増の約260億 円を見込んでいる。会社の認知度が高まっており、主要幹線で搭乗率が好調な ほか、新規路線の上乗せなどが寄与。また、路線拡張のため、航空機材を2018 年ごろまでに倍増の20機にする方針だ。西久保愼一社長が21日、ブルームバ ーグ・ニュースのインタビューで明らかにした。

西久保社長によると、航空会社が稼ぎ時の第2四半期(07年7-9月期) の売上高は7、8月で計113億円となり、9月が35億円になるもようで、計 148億円の見通し。ブルームバーグが前期の中間期から第1四半期の実績を差 し引いて算出した前年同期の売上高は約121億円で、今第2四半期は前年同期 比22%増となる見込み。第1四半期の売上高の約110億円を合計した今中間期 の売上高は約260億円近くになり、前年同期比38%増になる見通し。

売上高の大幅増は福岡、札幌の主要幹線の搭乗率が好調なことや、新規開 始した東京-沖縄線の収益が上乗せされるため。今年お盆の旅客数も大手2社 が前年割れだったのに対し、スカイマークは前年同期比26%増の大幅な伸び となったことも大幅増収に寄与したとみられる。

ブランド格差が縮小

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は「スカイマークは国内線に定着し てきた。ブランド格差も少なくなってきている」としたうえで、「ここから拡 大できると、それに反応して徐々に株価にプレミアムが付いていくことになる だろう」とみている。

時期によっては大手の半額程度の価格設定だが、低価格への認知度が広が り、西久保社長は「安い中でも客単価の高い個人顧客が増えている」という。 「安い運賃にみえても、トータルの平均単価でみると、実は大手と変わらな い」収益構造が確立したことが増収につながったようだ。営業不振だった前期 までの反省から、旅行代理店への販売比率を拡大させる方針に切り換えたが、 高い手数料が必要な代理店の力を借り、安い単価で座席を埋める比率は「3月 以降15%以内で済んでいる」(西久保社長)というほど、個人利用客が増え ている。

ただ、同社は原油価格を1バレル=60ドル(ドバイ原油)で想定して業績 予想を策定したが、実際の相場は7月に70ドルを超える水準まで高騰。西久 保社長は「原油、為替、大手の価格追随の三つの不確定要素があるため、利益 予想は変更しない」という。

国内路線の拡充のため機材を倍増

今後の事業展開には積極的だ。すでに羽田-千歳線の幹線に加え、08年春 には千歳空港の代替にもなる羽田-旭川線を就航させることを発表。西久保社 長は「旭川から千歳までバスで2時間で移動でき、航空機だと5分しか所要時 間に差が無い距離で、他社は千歳線を1万2000円も上回る運賃格差をつけて いる」と指摘し、「そこにビジネスチャンスがある」と進出の狙いを説明する。

同社は羽田-福岡、羽田-札幌などドル箱路線で安定的に収益を稼ぎ、そ の周辺にも路線を広げるビジネスモデルを描いており、「まずは北海道方面に 重点を置き、もう1路線は就航させたい」(西久保社長)との考えだ。2010年 の羽田空港再拡張後は羽田離発着の制限も緩む見通しのため、国内線を軸に航 空機材を増強し、路線も拡張していく方針だ。

このため、ボーイング社の旧型旅客機、B767型機から低燃費で効率的 な小型の新型機B737型機への切り換えも急ぐ。導入の前倒しを進めており、 2010年だったB737への完全移行も、「2009年8月末には完了の予定」 (西久保社長)で、11機すべてがB737型機になり、旧式のB767は全 機、退役の見通し。

その直後には羽田が拡張して発着枠の増加も期待できるため、以後B73 7の航空機材の倍増を目指す。西久保社長は「毎年1機ずつ増やし、2018年に は20機体制にまで持っていきたい」という。ただ、「近隣アジア諸国には販 売拠点が無いため、アジアの人々がスカイマークを利用するとは思えない」と し、羽田拡張に伴う近隣国際線への再進出については慎重な構えだ。

ROEを重視し東証1部上場も目指す

同社の財務規模で航空機購入は荷が重く、機材調達はもっぱら航空機リー スを利用。昨年37億円調達の目的で発行決議した新株予約権も3億7000万円 調達しただけで、権利を買い戻してしまった。西久保社長は「今期の経常利益 予想は24億円。1株当たり10円の配当を出すとすれば、6億円の原資が要る。 だとすると最終利益は倍の12億円必要で、経常利益はその倍の24億円要る。 これ以上株を発行すると配当が困難になる」と説明する。

資金調達のため、むやみにエクイティファイナンスを行わない考えだ。機 材調達にリース取引を活用すれば、現在の財政状態でも問題はないとしている。

西久保社長が経営上で最も重視するのはROE(自己資本利益率)。今は 赤字で株主への責任も果たせずにいるが、西久保社長は「機材がすべて最新鋭 機に置き換わり、利益率が向上する2010年までにはROE8%を実現した い」と強調する。また、「出来高の多い東証1部、2部市場に昇格して株価を 安定させることも、見方によっては株主への貢献の一つ」とし、黒字を継続し て早期の市場昇格を目指す考えも示している。

スカイマークの株価は前場終値で前日比8円(2.5%)高の332円。

--共同取材:クリスクーパー Editor:Asai

参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 松井 博司 Hiroshi Matsui +81-3-3201-2068 hmatsui2@bloomberg.net 記事についてのエディターへの問い合わせ先: 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net Bret Okeson +81-3-3201-8335 bokeson@bloomberg.net