伊勢丹、三越:経営統合で合意、統合比率は1対0.34-来年4月(3)

百貨店大手の三越と伊勢丹は23日、経営統 合することで合意したと発表した。08年4月1日付で共同持ち株会社を新設し、 その傘下に両社が入る形で統合する。株式移転比率は、伊勢丹の普通株式1株に 対して共同持ち株会社の普通株式1株、三越の普通株式1株に対しては同0.34株 を割り当てる。

この比率は、23日の三越の株価終値(557円)に対し、約3%のプレミアム がついた格好。同日の伊勢丹の株価終値(1687円)を基にしたブルームバーグの 試算によると、伊勢丹が三越を約2954億円で事実上、買収したことになる。

クレディスイス証券の木原桂アナリストは、同証券の試算では、株式移転比 率を現行株価ベースで0.30、税前含み益3000億円を考慮したベースでは0.37と しており、両社が合意した0.34に「違和感はない」としながらも、「現行株価に 対しては伊勢丹がプレミアムを払う形となるため、伊勢丹側にとってのメリット と、中長期の収益改善シナリオが提示されなければプレミアムの正当性は難し い」と22日付のリポートで指摘していた。

両社の連結売上高(06年度実績)を合算すると約1兆5859億円。現在最大手 の高島屋(1兆494億円)、大丸と松坂屋ホールディングスの統合で9月に発足 するJ.フロントリテイリング(約1兆1737億円)を超え、国内最大の百貨店グ ループが誕生する。

持ち株会社名は「三越伊勢丹ホールディングス」。本社は東京・銀座に置く。 伊勢丹の武藤信一社長が最高経営責任者(CEO)兼会長、三越の石塚邦雄社長 が最高執行責任者(COO)兼社長となる。伊勢丹、三越ともに他業態との競争 激化など厳しい状況に直面しており、品ぞろえやサービスなどさらなる提案力・ 開発力の強化に迫られていることが統合の背景にある。

伊勢丹の武藤社長はこの日の会見で、統合効果の額は「営業基盤の統合が済 んだ段階で、100億-200億円になる見込み」と述べた。また三越の石塚社長は全 般的な統合効果について、今後5-6年間で発揮できるよう検討していく考えを 示した。

今後の営業利益について、武藤・伊勢丹社長は「2013年3月期に営業利益率 5%を目指したい」とし、それ以降、2018年3月期までの5年間程度で営業利益 が約1000億円に達するよう目指していきたい、と抱負を語った。両社の営業利益 は、2006年度で計449億円であることから、11年間で倍増を目指すことになる。

百貨店業界は06年まで10年連続で既存店売上高が減少。今後も少子高齢化 で消費の大きな伸びが期待しにくく、再編が加速している。今年に入って統合は 3度目。今年9月には大丸と松坂屋HDの経営統合に伴い、持ち株会社「J・フ ロントリテイリング」が誕生するほか、10月には阪急百貨店と阪神百貨店が統合 し、「エイチ・ツー・オーリテイリング」が発足する。03年6月にはそごうと西 武百貨店を傘下に持つミレニアムリテイリングが発足した。

三越、伊勢丹は、ともに呉服屋が前身。三越は1673年に「越後屋」、伊勢丹 は1886年に「伊勢屋丹治呉服店」として創業した。三越は日本橋本店、銀座店な ど全国に主要15店舗を持つ。07年2月期の連結売上高は8041億円で業界4位。 伊勢丹は新宿本店や浦和店など主要12店舗を運営し、07年3月期の連結売上高は 7817億円で業界5位。

三越の株価終値は前日比4円(0.7%)高の557円、伊勢丹は同18円 (1.1%)高の1687円。