日本株は小反落、利ざや改善期待後退の銀行株が下落-資源も安い(2

東京株式相場は小反落。利上げ観測の後 退による利ざや改善の遅れから収益悪化懸念が強い大手銀行株が売られ、相場 の下げを主導した。前日の国際商品市況が下げた影響で三井物産など総合商社 株も安く、為替市場における円高修正の一服で輸出採算に対する楽観的な見方 が後退した自動車株も下げた。もっとも、きょうから開催されている日本銀行 の金融政策決定会合の結果を見極めたいとして、売買は低調だった。

日経平均株価の終値は前日比70銭安の1万5900円64銭。TOPIXは同

4.99ポイント(0.3%)安の1544.89。東証1部の出来高は概算で16億6102万 株と7月4日以来の低水準、売買代金は2兆2987億円で、こちらは7月5日 以来の低さ。値下がり銘柄数は940、値上がりは679。

日本株運用を手掛ける田辺経済研究所の田辺孝則代表は、「直近で世界的 な金融市場の大荒れを経験し、日銀による利上げ時期が遠のくことへの警戒感 が強まり、利ざや改善の遅れが意識される銀行や保険株に逆風となっている。 個人の利子収入増加への期待もしぼむことから、小売りや不動産株にもマイナ ス要因だ」と述べた。

田辺氏は、日経平均は7月高値から先週末安値までの下落率が約16%に達 したことを挙げ、「上昇相場における一時的な調整の範囲を超えてしまった。 このため、戻り局面でも売り方の買い戻しが中心で、現状ではファンダメンタ ルズ分析に基づいた中長期投資家の積極的な買いは入っていない」との認識を 示していた。

午前の日経平均は100円超安から下げ渋る

午前の日本株は、米シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物9月物の21 日清算値1万5830円にさや寄せする格好で売り先行で始まった。朝方の売り 一巡後は、株価指数先物に断続的に売りが出て先物主導で裁定解消売りを誘う 展開となり、日経平均の下げ幅は一時100円を超す場面もあった。

その後は次第に相場の底堅さを背景とした買いが優勢となり、前引けにか けて下げ幅を縮めた。日経平均の下落幅は終了間際に5円まで縮小した。

午後は一時56円高に

こうした流れを引き継いで始まった午後の取引では、開始早々に上昇に転 換し、日経平均は前日比56円高の1万5957円まで上げる場面があった。中国 などアジアの株式相場が総じて堅調に始まったことから、米サブプライムロー ン問題に端を発した信用収縮懸念が後退し、世界連鎖株安に歯止めがかかった との安心感を誘った。円相場が落ち着き、「目先のリバウンド相場の過程で出 遅れ感があった電機株の一角に打診的なまとまった買いが入った」(いちよし 投資顧問の秋野充成運用部長)ことで電機株が指数を押し上げた。ただその後 は伸び悩み、取引終了にかけてはマイナス圏に沈む時間が多かった。

カブドットコム証券の臼田琢美常務執行役は、「米金融当局の対応や金融 政策決定会合の行方を見極めたいとのムードが強く、投資家は売りにも買いに も積極的に動いていなかった」と話していた。

みずほFGや資源関連株が売られる

米サブプライム問題に対する懸念などを背景に、三井住友FGやみずほフ ィナンシャルグループなど大手銀行株がそろって安い。東証1部銀行指数はT OPIXの下落寄与度1位。UBS証券の田村晋一シニアアナリストはブルー ムバーグ・テレビとのインタビューで、「サブプライム、世界同時株安の中で 投資家心理が冷え、それを扱っているとみられた銀行株も売られた。ただ、そ もそもはメガバンクの第1四半期業績がさえず、今年は反転するとの期待が高 かったところで、まだだめだったとして売られていた」と解説していた。

田村氏は日銀による8月の利上げが見送られる公算が大きくなったことに ついて、「メガバンクなどは利上げを会社の業績予想に入れており、収益低迷 が続きそうだ。利上げの影響は先に預金金利などが上がるため半年程度は収益 にプラスにならない。今期には影響がないということになる」と話していた。

このほか、前日のニューヨーク原油先物価格が2カ月ぶりに1バレル=70 ドルを割り込むなど、商品市況が軒並み下落したことを受け、評価損益や販売 単価にマイナスに働くと警戒された市況関連株が下落。東燃ゼネラル石油とい った石油株の一角、丸紅や三井物産など総合商社株、三菱マテリアルや住友金 属鉱山などの非鉄金属株が安い。為替相場がやや円高方向に振れたことから、 輸出採算の改善期待が後退したトヨタ自動車やホンダなど自動車株も下落。

また、クレディ・スイス証券が目標株価を引き下げた千代田化工建設が急 反落し、日経平均株価の下落寄与度トップ。分譲事業の落ち込みが響き6月中 間期の連結経常利益が前年同期比9.6%減だった東京建物が反落し、この日予 定していた6月期決算発表を29日に延期すると発表したニイウスコーはスト ップ安(制限値幅いっぱいの下落)比例配分。

原油安と円高メリットの紙パや空運株は上昇

半面、原油価格の下落や円高が原燃料コスト負担減につながる全日本空輸 や日本航空など空運株、レンゴーや大王製紙などパルプ・紙株が高い。TOP IXに対する上昇寄与度1位は電気機器指数。松下電器産業や三菱電機、シャ ープ、富士通などが上昇した。

このほか、ゴールドマン・サックス証券が投資判断と目標株価を引き上げ たヤフーが急騰。通信販売事業で定番カタログの受注が好調に推移し、6月中 間期の連結営業利益が前年同期比2.4倍に膨らんだセシールが急伸し、ヤマダ 電機が5%超の株式を保有したことが明らかになったベスト電器は大幅続伸。