米FOMC、緊急利下げ回避か-流動性供給策が奏功しTB利回り上昇

米連邦公開市場委員会(FOMC)は緊急 利下げを回避できるかもしれない。市場への流動性供給策の幾つかが効果を表 し始めているためだ。

シティグループ・グローバル・マーケッツのシカゴ在勤の債券セールス担 当者、ホーリー・リス氏は「安全性への逃避は若干、後退しているようだ」と して、「米財務省証券の利回りが正常に戻りつつあることが、沈静化を示唆して いる」と述べた。

財務省証券の利回りは21日、6営業日ぶりに上昇(価格は低下)し、最も 安全な証券への需要が後退したことを示した。ただ、米金融当局が17日の公定 歩合引き下げの資産担保コマーシャルペーパー(CP)市場への効果を見極め るにはまだ数日かかる見通しだ。

リッチモンド連銀のラッカー総裁はこの日、公定歩合引き下げ後の初の当 局者発言で、金融政策決定の鍵は物価と成長の見通しでなければならないとの 考えを示し、市場の動揺のみを考慮することには否定的な考えを示した。

ラッカー総裁はノースカロライナ州シャーロットで開催されたリスク管理 協会(RMA)の年次昼食会で講演し、「金融市場の激しい値動きは、それ自体 でフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標の変更を迫ることはない」と語 り、「金融政策は実質的な消費とインフレの見通しを考慮して決定しなくてはな らない」と述べた。ただ、短期市場の全体的な資金ひっ迫の解消に向け当局の 措置が既に十分であるかどうかについての「評決はまだ下っていない」として、 「判断を下すには時期尚早だ」と付け加えた。

FRB議長のアプローチ

投資家やエコノミストは依然、9月18日のFOMCまたはそれ以前に、当 局が現行5.25%の政策金利を少なくとも0.25ポイント引き下げる必要があると みている。バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)はこれまでのところ、 信用危機に対し抑制されたアプローチを取り、FF金利の誘導目標以外の手段 で対応している。

RBSグリニッチ・キャピタル・マーケッツのチーフエコノミスト、ステ ィーブン・スタンレー氏は「米金融当局は手を出さず、市場が自ら問題を解決 することを望んでいる」として、「1998年の経験など最近の例は、金融市場の混 乱が景気に与える影響はそのときに予想されるよりも短期かつ小規模にとどま る傾向を示している」と述べた。

米上院銀行住宅都市委員会のドッド委員長(民主、コネティカット州)は 21日、バーナンキ議長がサブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問 題に揺れる金融市場に安定を取り戻すため、「権限内のすべての手段」を行使す る意向を表明したと述べた。同委員長はワシントンでバーナンキ議長、ポール ソン財務長官と会談した後に語った。ドッド委員長は、銀行は金利が引き下げ られた連銀窓口貸し出しを活用するべきだとの考えを示した。

また、ブッシュ米大統領はカナダでの北米首脳会談で、金融システムには リスク再調整を行うのに「十分な流動性がある」との認識を示した。

米金融当局は17日に公定歩合を0.5ポイント引き下げ5.75%とした。ニュ ーヨーク連銀は21日、米国債貸出制度の利用基準を緩め、ディーラーに課す最 低レートを現行の1%から0.5%に引き下げた。これを受けて、米財務省証券の 利回りは同日、低下から上昇に転じた。ニューヨーク連銀のアンドルー・ウィ リアムズ報道官は、「米国債を裏付けとした市場に流動性を追加する」ことが目 的だと説明した。

3カ月物財務省証券の利回りは0.56ポイント上昇し3.77%と、13日以来 で初めて上昇した。20日には0.66ポイント低下と、1987年10月の株価暴落以 来で最大の低下だった。短期市場のトレーダーらは資産担保CPを売り、最も 短期の国債に乗り換えた。

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