日本総研の李氏:金融市場の混乱で秋までは各国中銀・政府の動きも

日本総合研究所調査部研究員、李立栄氏は、 21日のインタビューで、金融市場の混乱とマネーフローについて以下のように コメントした。

金融市場の混乱とマネーフローについて:

「前週末までの動きについては、過剰流動性が収縮プロセスに入ったと認識 している。世界中のリスクマネーが収縮し、質への逃避の動きが世界規模で発生 した。新興国・先進国などを含めた世界中の株式や米国のリスクの高い証券化商 品を売って、現金に換えたり、信用力の高い国債購入の動きが拡大した」

ヘッジファンドやオイルマネーの動きについて:

「過剰流動性の発生メカニズムには3点ある。第1は、2000年以降、世界 的な先進国などの金融緩和が拡大したこと、第2はヘッジファンドやプライベー ト・エクイティなどグローバル規模で運営するファンドが拡大したこと、第3は BRICsなど新興国の高成長が世界的な貯蓄過剰生み出してマネーフロー供給 の流れとなったこと」

「今回の動きは、新興国にも影響は出てくるだろう。1番大きい影響は、サ ブプライム(信用力の低い個人向け住宅ローン融資)問題の広がりマネーフロー の変調により、リスク資産保有に警戒感が高まり、リスク資産の再評価となった こと」

今後の国際的なマネーフローの変化について:

「短期的には今までの変化は変わらないだろう。米国の金融市場は、規模が 大きく流動性も高いので、オイルマネー、中国からの対米国債への資金供給、円 キャリー取引による米国債購入などの構図は長い目でみれば変わらないだろう。 しかし、金融・資本市場がパニックとなり、各国がリスクを再評価・再認識する ことになった」

円キャリートレード(低金利の円で借りた資金を投資)の巻き戻しについて:

「米連邦準備制度理事会(FRB)が公定歩合の緊急利下げによって、今週 に入って、若干落ち着いた。円キャリートレードの巻き戻し一巡で1ドル=115 円台に戻ったが、円高リスクが残っており、現行水準で一進一退の動きが続くと みている」

「経済のファンダメンタルズ悪化は回避できるとみている。米国株は回復し ているが、サブプライム問題は解決していない。この問題が悪化すれば、金融市 場の大きな動きがしばらく続くのではないか。秋までは各国中銀・政府の動きが 出てくるとみている。米利下げ観測が高まっており、雇用・所得のポジティブな 指標が出れば、もう少し早めに調整が終わるのではないか」

「ヘッジファンドの損失は、発覚していないところもあり、規模が膨らむ可 能性は否定できない」

--共同取材:吉川淳子      Editor:Yamanaka

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