日・ASEAN:包括的経済連携で大筋合意へ-週末の経済相会合

日本と東南アジア諸国連合(ASEAN) が貿易・投資の自由化を柱に幅広い経済関係の強化を目指す「包括的経済連携 協定(EPA)」の締結に向けて大筋合意する見通しとなった。甘利明経済産業 相が25日、フィリピン・マニラで開催予定の日・ASEAN経済相会合に出席 し、最終的な調整に入る。日本が地域連合体とEPAを締結するのは初めてで、 今年11月には投資・サービスの自由化も含め交渉妥結の予定。

日・ASEANは2005年4月から9回にわたって交渉を開催。今年5月の 経済相会合で日本が貿易品目および輸入額の90%超、ASEAN主要国が同 90%の関税を10年以内に撤廃することで大枠合意していた。今回はコメなど一 部農産物を除く約9000に上る自由化品目のリストを作成。これによって日本か ら輸出される基幹部品を含めた製品が日・ASEAN域内を無税で流通するこ とになる。カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナムの新規加盟4カ国につ いてはスケジュールなどについて、それぞれの経済発展段階に応じた差を設け る。

中国や韓国をはじめインド、オーストラリア、ニュージューランドの各国 は、すでにASEAN全体との地域自由貿易協定(FTA)の交渉を進めてお り、日本が出遅れていたのも事実。早急に貿易の自由化に取り組まなければA SEAN市場の確保が困難になるばかりでなく、同市場向けの製品の製造に関 する投資が日本以外のFTAパートナー国に移転する危機感も背景にあった。

安倍晋三首相は20日、インドネシアとのEPA締結後に首都ジャカルタで 講演し、日・ASEANのEPAに関連して「EPAはFTAと似て非なるも のだ。FTAは垣根をどれだけ低くし合うかを決める約束であり、EPAは、 もっと深いお付き合いをできるようにするものだ」と指摘。そのうえで「EP AがASEAN経済を一段と高めていく。ASEAN全体との間で包括的なE PAを結ぶことも、いよいよ現実味を増してきた」と語った。

日本はすでにASEAN10カ国のうちフィリピン、タイ、マレーシア、シ ンガポールと二国間EPAの署名・締結を実現。20日には安倍首相が訪問先の インドネシアで同国のユドヨノ大統領と会談し、EPAを締結した。このほか ブルネイとは大筋合意済みで、ベトナムとは今年1月から交渉を開始した。し かし、日・ASEAN間の取引では複数の国を転々とするケースが多いことか ら同時並行で多国間協定の必要性に迫られていた。

--共同取材:山村敬一、佐藤茂 Editor:Ozawa(hin)

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