米国債:TB利回りが87年以来最大の下げ-リスク回避鮮明に(2)

米国債市場は短期証券(TB)の利回りが 1987年以来最大の低下幅を記録。信用収縮を背景に安全性の高い国債に買いが 膨らんでいる。

TB利回りは過去5営業日にわたって低下。マネー・マーケット・ファンド (MMF)が投資先を資産担保コマーシャル・ペーパー(CP)から国債へ乗 り換えているためだ。3カ月TBの利回りは2001年9月11日の同時多発テロ の影響を受けたとき以上の落ち込みだ。

キャッスルオーク・セキュリティーズで債券のセールス・ディレクターを務 めるジョン・ジャンセン氏は、「市場は完全に、また完璧に恐怖感に包まれて いる。市場参加者は多くの住宅ローン証券やそれに関連したあらゆるデリバテ ィブ(金融派生商品)がまったく不透明であり、値付けができない状態に恐怖 を抱いている」と語った。

ニューヨーク時間午後4時23分現在、3カ月物TB利回りは前週末比約

0.66ポイント低下して3.09%。ブラックマンデーの翌日1987年10月20日以降 で最大の下げ。このときは0.85ポイント低下した。また同時多発テロ後初めて 市場が再開された2001年9月13日の下げ幅は39ベーシスポイント(bp、1bp =0.01ポイント)だった。

TB入札

質への投資から米財務省が実施した3カ月物TB(210億ドル)の最高落札 利回りは2.85%と、2005年5月16日に記録した2.8%以来の最低を記録した。

投資家はまた、安全だと考えられていたMMFも回避している。MMFがサ ブプライム(信用力の低い借り手向け)住宅ローンを裏付けにしたリスクの高 い債務担保証券(CDO)に投資していたとの懸念が背景だ。

米キャストレトン・パートナーズの債券マネジャー、ヘンリー・スミス氏は、 「MMFから撤退し、国債へと投資先の変更を望む顧客がいる」と語り、「市 場参加者はTBを購入している。その理由は安全だからだ」と続けた。

ニューズレターのマネー・ファンド・リポートーのコニー・バグビー副編集 長によると、機関投資家は8月14日から17日にかけて、国債投資を主にした MMFへの投資額を397億ドル増やした。

米連邦準備制度の公開市場操作(オペ)を担当するニューヨーク連銀は20 日、今月23日に償還期限を迎える50億ドル相当のTBを同連銀の公開市場操 作用の口座「システム・オープン・マーケット・アカウント(SOMA)」を 通じて買い取ると発表、準備高の運用に「より柔軟性」をもたせると述べた。

利下げ完全に織り込む

2年債利回りは前週末比10bp低下して4.08%。2年債価格(表面利率

4.625%、2009年7月償還)は1/8上げて101 31/32。

プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)21社のうち、半数以 上は連邦公開市場委員会(FOMC)が来月の次回会合までのフェデラルファ ンド(FF)金利誘導目標引き下げを見込んでいる。

金利先物市場動向によるとトレーダーは、9月18日のFOMCまでの利下 げを完全に織り込んでいる。このうち70%が現在の5.25%から4.75%への引き 下げを見込んでおり、残る30%は5%への利下げを予想している。

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