米公定歩合下げは正当化されない、新たな問題生む-ファーバー氏

投資家マーク・ファーバー氏は20日、米連 邦準備制度の公定歩合引き下げについて、「正当化されることはなく」新たな問 題を生み出すことになるとの見通しを示した。

連邦準備制度は17日、公定歩合を6.25%から5.75%に0.5ポイント引き 下げた。定例の連邦公開市場委員会(FOMC)以外での金利引き下げは2001 年以来6年ぶりだった。一方、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は

5.25%のまま据え置かれた。

ファーバー氏は、ベトナム中部ダナンから電話インタビューに応じ、公定 歩合引き下げについて「正当化されることのない市場介入だと思う」とした上 で、金融システムへの追加的な資金供給は「後日、新たな問題を生むことにな る」と述べた。

米国の公定歩合引き下げにより、米住宅市場の悪影響拡大の懸念が和らい だのを受け、株式相場は世界的に上昇した。ブルームバーグの集計データによ ると、7月23日以降の株式相場下落により、世界の株式市場の時価総額は計5 兆5000億ドル余り目減りした。

ファーバー氏は、連邦準備制度の政策は資産市場に左右されており、それ が第一の間違いだったと指摘。株式相場下落につながった住宅問題は、そもそ も「緩和的な金融政策」により発生したものだとの見方を示した。

その上で同氏は、S&P500種株価指数が1400ポイントを下回れば、連邦 準備制度はFF金利の誘導目標を引き下げる可能性が高いと予想。S&P500種 が1500ポイントを上回って上昇すれば、引き下げは実施されないとの見通しを 示した。17日のS&P500種の終値は前日比2.5%高の1445.94ポイント。

ファーバー氏は、10日のインタビューで米国株について、主要株価指数が 30%超下落する可能性がある弱気相場の初期段階にあるとの見方を示していた。

強いドル、円

ファーバー氏はまた、米国の通貨や円資産に資金が流れ込むため、ドル相 場が「崩落」する可能性は低いと予想。米国の資産相場について「新たな高値 を記録することはないかもしれないものの、新興市場を上回る展開にはなるだ ろうとみている」と説明。「新興市場から流出した資本が、米国や円の資産に流 入している」と語った。

同氏は1987年のブラックマンデー(株価大暴落)の1週間前に米国株市場 から投資資金を移すよう投資家に勧めたほか、2005年には5月の時点で、年末 まで米国株の上値は限られると予想し、的中させた。