円高・株安は日米欧3極の金融調節の乱れが原因-三菱U証の折見氏

三菱UFJ証券投資情報部の折見世記シニ ア投資ストラテジストは、17日の外国為替市場で急激な円高が進行、日本株相 相場も記録的な下落となった背景について、「日米欧3極の中央銀行の供給の 度合いが異なっていたことが為替相場を乱した。投資家も3極の中央銀行の足 並みが揃っていないことを見透かしているのではないか」と分析、ちぐはぐな 流動性供給姿勢が投資家のリスク回避行動を増長させたとみている。

三菱U証によると、米国と日本のマネタリーベースを合算した数値(季節 調整済)は、3カ月前比(注1)の伸び率で2007年1月が2.2%増、2月が1.8% 増、3月が0.8%減、4月が0.6%増、5月が1.8%増、6月が3.1%増、7月 が1.2%減で推移、「世界の株式時価総額とほぼ連動してきた」(折見氏)。

しかし、8月9日に仏銀最大手のBNPパリバが傘下の資産担保証券(A BS)関連ファンド3本(資産総額16億ユーロ:7日時点)の解約を凍結。信 用収縮が始まると、9日から13日にかけては、欧州中央銀行(ECB)、米連 邦準備制度理事会(FRB)、日本銀行が協調して大量の流動性を供給、為替 相場も一定の落ち着きを見せていた。

しかし、14日にECBが流動性を供給する中、FRBは供給がストップ、 日銀が吸収に回り、準備預金を2兆3000億円減らした。「極めつけは15日の オペレーションで、ECBが供給をストップ、FRBが供給再開、日銀が当初 のターゲットより2兆円供給が少なく、結果として準備預金が5500億円少なく なってしまった」(折見氏)という。

8月9日のBNPショック以降、相対してECBは流動性の供給を行って きたが、日銀は吸収に回ったためにユーロ売り・円買いが進行、これが日本株 の下落を招いたと、折見氏は見ている。

注1:単月のマネタリーベースと、3カ月前のマネタリーベースを比較するも の。直近7月の場合は、4月のものと比較している。折見氏によると、「3カ 月前比が最もマネーと株価の相関関係が高くなる」。