フィデリティなど米不動産ファンドに打撃-市況低迷で株価下落

米不動産ファンドがここ3カ月間で総額 130億ドル(約1兆5100億円)目減りし、フィデリティ・インベストメンツや フランクリン・リソーシズ、ケンジントン・インベストメント・グループが最 も大きな悪影響を受けている。

米投資信託調査会社モーニングスターのまとめでは、2006年に分野別で最 高の運用実績を残した不動産ファンドのリターン(投資収益率)は5月14日以 来でマイナス16%と、最も大きな下落となっている。

不動産ファンド最大手の「フィデリティ・リアル・エステート・ポートフ ォリオ」(運用額59億ドル)はマイナス19.7%、「フランクリン・リアル・エ ステート・セキュリティーズ・ファンド」(同7億1800万ドル)と「ケンジン トン・ストラテジック・リアルティ・ファンド」(同5億ドル)はともにマイ ナス20.3%。資産規模1億ドルを超える主要不動産ファンドでは、最悪の成績 だ。

全米不動産業者協会(NAR)によれば、住宅ローン金利の上昇が需要を 圧迫する中、米住宅相場は今年、1930年代以来初めて前年比で下落する見込み。 商業不動産関連銘柄が大きく下落し、リターンが低下したことを受け、投資家 はここ3カ月間で不動産ファンドから45億ドルを引き出した。

ボストンに拠点を置く投信市場調査会社エマージング・ポートフォリオ・ ファンド・リサーチのマネジングディレクター、ブラッド・ダーラム氏は、信 用力が低い個人向けのサブプライム住宅ローンが主に住宅市場に打撃を与える 一方で、「商業不動産は米景気見通しの悪化で大きな打撃を受けた」と指摘した。

エマージング・ポートフォリオによれば、ファンド償還と株式相場下落で、 米不動産ファンドの資産は今月8日には660億ドルと、3カ月前のピーク時の 820億ドルから大きく落ち込んだ。投資家が不動産ファンドに今年これまで投じ た額は30億ドルだという。不動産ファンドの06年のリターンはプラス31%と、 米株式市場の指標、S&P500種株価指数の2倍の実績だった。