松井証券社長「投信販売で投資情報を拡充」-手数料収入を顧客に還元

松井証券の松井道夫社長は16日放送のブ ルームバーグ・テレビで、販売開始に向け準備中の投資信託について、関連し て入る手数料で投資家向け情報を拡充する方針を明らかにした。通信社が配信 する企業や市場ニュースの提供などを検討中だ。株式以外の商品の取り扱いで 新規顧客を取り込むとともに、情報活用による株取引の活発化を促す狙いだ。

貯蓄から投資の流れが強まる中で投信販売は好調を維持しており、販売手 数料などの関連収益が野村ホールディングスなどの証券各社や三菱UFJフィ ナンシャル・グループなど大手銀行の利益に貢献している。ただ、松井では手 数料収入を直接利益に結びつけるのではなく、顧客向けサービスの向上に回し て収益の柱である株式委託売買業務の強化につなげる戦略だ。

株式に続き「投信販売の構造も改革」

松井社長は、投信残高は全体で80兆円あるが、取扱高が1兆円未満にとど まるネット証券経由のシェアは10兆-20兆円に拡大する可能性があると指摘。 そのうえで松井証券としては「顧客からの手数料をほとんど顧客に返す」と述 べ、販売を通じて入る信託報酬などを投資情報の拡充に振り向ける考えを示し た。プロジェクトチームを設置して具体的な検討に着手するという。

松井証券は対面型の支店を閉鎖して1998年にネット専業に転換、自らが先 駆者となった手数料引き下げ競争などを通じて個人投資家のネット売買シェア が大きく広げるなど証券業界全体の構造改革にも貢献してきた。99年から投信 の取り扱いは停止していたが、松井社長は「株式売買の構造を変えたように投 信売買の構造も変えてみたい」と、取り扱い再開に強い意欲を示した。

資本提携が基本-三菱UFJと交渉中

ネット証券業界でもSBIイー・トレード証券が2007年4-6月期で販売 手数料などの投信関連収益が6億3300万円と前年同期に比べて2.4倍に拡大、 投信販売残高は1625億円と同38%増えた。カブドットコム証券でも投信預か り資産は同2.1倍の654億円となった。購入時の販売手数料を無料とするノー ロード投信なども扱い販売残高を着々と増やしている。

一方、三菱UFJとの提携交渉については「(出資受け入れ比率の)数字 も含めて引き続き話し合いは進めており是々非々で行う」と述べた。そのうえ で「資本提携もセットでないとちゃんとしたアライアンスにならない」とし、 資本提携が前提との認識を示した。他のネット証券に比べて出遅れているIP Oの引き受け業務などでの提携につなげたいとしている。

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