投資家のリスク回避姿勢、過去1年間で最も強まる-メリル調査(2)

米メリルリンチが実施した8月の調 査で、ファンドマネジャーの間でリスク回避姿勢が過去1年間で最も強 まっていることが示された。デフォルト(債務不履行)の増加で景気拡 大が圧迫され、企業利益が縮小するとの懸念が広がっている。

同調査は8月2日から9日にかけて実施、回答数は181人(資産 運用総額は5990億ドル)。回答者のうちの38%が投資リスクを取るこ とに対する意欲が「通常を下回っている」とした。これは2006年8月以 来最大の比率。7月20日以来、株式市場では売りが優勢となり3兆 4000億ドルが消失。この時期に投資家は現金ならびに債券の保有を拡大 した。

メリルリンチのコンサルタント、デービッド・バウワーズ氏は15日 のロンドンでの記者説明で、「リスク回避姿勢が急激に強まっている」 と指摘した。

モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル(MSC I)ワールド指数は7月19日に年初来の高水準に達して以来、9.1%低 下している。この低下は米サブプライム住宅市場でのデフォルトの影響 が他の市場に波及し、景気拡大を圧迫するとともに企業買収が失速し、 投資価値が目減りするとの懸念に誘発されたものだった。

また今回の調査は債券デフォルトが金融市場の最大のリスクである と指摘。投資家がローン購入に際し一段と高いリターンを要求するなか、 社債リスクが高まっている。

欧州125社で構成されるiTraxxヨーロッパ指数は先月、3年 ぶりの高水準に急上昇した。この上昇は信用の質の認識の悪化を示唆し ている。

経済成長

同調査によると、企業の借り入れコストが上昇するなか、世界経済 が今後約1年間で軟化すると予想する回答は差し引き26%と前回調査の 5%から上昇した。

回答者の22%は株価が「過小評価されている」と指摘、7月調査の 13%から上昇した。3月以来の最高水準だった。

バウワーズ氏は、「市場参加者は引き続き株式に価値を見出してい る。まだ諦めてはいない」と語った。

回答者のうち49%が株式の資産組み入れ比率をベンチマークより高 い「オーバーウエート」としている。これは7月調査の69%から低下す るとともに、過去1年間で最低水準。また回答者の16%は「アンダーウ エイト」とした。これは前回調査の10%から上昇。

また現金の資産配分比率平均は4.4%と7月の3.4%から上昇した。 8月は3月以来の高水準だった。