米国債:続伸、質への逃避続く-株安や企業の債務借り換え難航で

米国債相場は続伸。株式相場の下落に加 え、一部企業の短期債務借り換えが困難になっているため、安全資産としての 国債需要が高まった。

2年債は過去4営業日で3度目の上昇。利回りは1年半ぶりの低水準近く にある。米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン問題を受けて、 米連邦公開市場委員会(FOMC)が利下げに踏み切るとの思惑が背景にある。 米国債は安い場面もあったが、カナダの資産担保コマーシャルペーパー(C P)を発行する17信託が買い手が見つからず、銀行に追加融資を求めている と、同国の格付け会社DBRSが明らかにしたことをきっかけに買いが入った。

ドイツ銀行のシニア投資ストラテジスト、ジェラルド・ルーカス氏(ニュ ーヨーク在勤)は「債券相場は株式市場と信用市場の動向に引き続き左右され るだろう。このような資金不足の状況が市場を覆っている」と述べた。

キャンター・フィッツジェラルドによると、午後4時55分現在、2年債 利回りは前日比約5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し

4.36%。2年債価格(表面利率4.625%、償還期限2009年7月)は約3/32 高の100 15/32。

短期債を中心に安全資産としての買いが集まり、2年債と10年債の利回 り差は36bpと、2005年6月20日以来で最大となった。

「世界的な流動性問題」

RBSグリニッチ・キャピタル(コネティカット州グリニッチ)の金利ス トラテジスト、イアン・リンジェン氏はカナダのCP市場での買い手不足につ いて「米国内でも起こり得ることの予兆ではないかと市場は懸念している」と 述べた。

米連邦準備制度や欧州中央銀行(ECB)、アジアの中央銀行は翌日物金 利を押し下げ、信用収縮を緩和するため、9-10日に総額2900億ドルの資金 を金融市場に供給した。

RBCキャピタル・マーケッツの米国債トレーディング責任者、トーマ ス・トゥッチ氏(ニューヨーク在勤)は「世界的に流動性問題がなお存在して おり、最悪期はこれからだ」と述べた。

フェデラルファンド(FF)金利先物相場の動向によると、9月18日の 定例会合までに米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を5%に引き下 げる確率は66%となり、1週間前の46%から上昇した。12月までに4.75% まで引き下げる確率は41%と、前週の35%から上昇した。

「強まる懸念」

ジェフリーズの米国債トレーディング責任者、トム・ディ・ガロマ氏は 「毎日、新たな分野で悪いニュースが出てきて、日増しに懸念が強まっている。 米連邦準備制度は悪材料が出尽くすのを待っているようだ」と語った。

信用リスクの高まりを示す10年物金利スワップ・スプレッド(米国債へ の上乗せ幅)は2.4bp拡大して75bpと、ほぼ2002年1月以来で最大となっ ている。

米国債相場のボラティリティ(予想変動率)の指標であるメリルリンチの MOVE指数は13日に111.7となった。3営業日連続で100を上回るのは 2004年9月以来。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE