米ゴールドマンの株式ヘッジファンド、1年で13.9%の損失-関係者

米ゴールドマン・サックス・グループの株 式ヘッジファンド「グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ・ファンド」 は、7月末までの1年間で13.9%を失った。同期間のモルガン・スタンレー・ キャピタル・インターナショナル(MSCI)ワールド指数のリターンは配当 再投資を含め21%だった。

事情に詳しい複数の関係者が13日までに匿名を条件に明らかにしたとこ ろによると、同ファンドの運用資産は50億ドル(約5910億円)余り。このフ ァンドが採用しているコンピューターモデルが、市場の乱高下に対応できなか ったという。

同じくコンピューターモデルを使って運用していた80億ドル規模のヘッ ジファンド「グローバル・アルファ」も、年初から8月9日までに26%を失っ た。ゴールドマンの資産運用部門の評判にもかかわる事態だ。

マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院教授でヘッジファンド会社 アルファシンプレックス・グループを経営するアンドルー・ロー氏は、コンピ ューターを使った「これらの戦略は、相場が乱高下すると機能しなくなる」と 説明した。また、「見通し不良と混乱の時期は長く続くだろう」との見方を示し た。

関係者によると、グローバル・エクイティの年初から7月までの成績はマ イナス2.6%。ゴールドマンの広報担当者ピーター・ローズ氏はコメントを控 えた。

信用スプレッド拡大と株価のボラティリティ(変動性)急上昇で、ヘッジ ファンド業界は7、8月に打撃を受けた。信用スプレッドは2年で最大となり、 株価の変動が1%を超えた日は13日に上った。

ゴールドマンのグローバル・エクイティなどは、数学的モデルを用いて運 用する「クオンツ」ファンド。AQRキャピタル・マネジメントやハイブリッ ジ・キャピタル・マネジメント、テュケ・キャピタルなどの他のクオンツファ ンドも、コンピューターモデルが市場の乱高下に対応できず損失を出した。

AQRの「グローバル・ストック・セレクション」ファンド群のなかで借 入金を含めて運用する1ファンドは、年初来21%を失った。投資家あて書簡に よると、ハイブリッジの17億ドル規模の「スタティスティカル・オポチュニテ ィーズ・ファンド」は8月8日までの1カ月で18%下落した。年初来では16% 下落。各社の幹部はコメントを控えた。

米国のサブプライム住宅ローンを裏付けとした証券の価格下落を受けて、 一部の大規模クオンツファンドは7月末と8月初めに債券や信用商品のポジシ ョンで損失を出した。リーマン・ブラザーズのアナリスト、マシュー・ロスマ ン氏のリポートによれば、これを受けてファンドは現金調達・レバレッジ縮小 のため、より流動性の高い株式の投資資産の売却を迫られた。大量売りを受け てクオンツ運用のコンピューターモデルがうまく機能しなくなったと同氏は説 明している。